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【世界のSAKE】酒のプロが考える、更なる日本酒ブームに必要なこととは?

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こんにちは、石黒建大です。日本酒サービス研究会の研究室の専属テイスターという、酒匠から更に選ばれたものが取得出来る資格を保有しています。専属テイスターとしてのテイスティング力や、プロの日本酒提供者のという特徴を活かした、専門的な記事を書きたいと思います。

今回は、外国のお客様にいかに日本酒を飲んでいただけるのかについて書きたいと思います。

 

1. 現状の日本酒の海外への輸出量

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1989年(平成元年)時点で6,700KLだったのが、2012年(平成24年)時点で約14,000KLと平成に入ってから約2倍に輸出量が増えていますが、2012年時点での日本酒の総生産量に対する輸出量は約2.7%です。
主な輸出先として数量では、アメリカが約28%、韓国が約20.6%、台湾が約11.3%、香港が約10.6%となっています。
金額では、アメリカが約36.3%、香港が約16.7%、韓国が約13.5%、台湾が約5.7%となっています。

 

2. 日本酒の海外輸出に関する問題点

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以前から気になっているのが、関税と流通経路の問題です。

日本酒の海外輸出金額は、平成24年時点でフランスワインの約1兆円に対し、日本酒は約90億円と言われていて、フランスワインの約1%となっています。
日本酒輸出に関して一番大きい問題になっているのが、流通経路と関税の問題で、流通経路に関しては、日本酒を専門に取り扱う商社が乏しいことや、フランス食品振興会のような輸出促進を目的とした組織がないこと関税の問題に関しては、日本酒が米の加工品という扱いから関税率が高すぎることで、日本酒の末端価格はアメリカで、日本国内の3倍前後と言われています。

一方で、酒蔵単位で現地生産や支店を設けて商売をしている所もありますが、現地生産に関しては一定のマーケットを確保できれば商売になると思いますが、海外支店を設けての場合は為替の関係でのリスクが伴うので、中小のメーカーでは厳しい部分もあるように感じます。

 

3. 日本に来る訪日外国人に対する日本酒販売の必要性

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(出典:天野酒 西条合資会社

一方で国内の訪日外国人観光客数は、2011年約622万人、2012年約836万人、2013年約1036万人、2014年は8月時点で約864万人となっていて、1200~1300万人のお客様が訪日されると予測できます。

日本に初めて来る外国のお客様の訪日目的は、日本食に関心があったから約51%、日本の景観に関心があったから約55%、日本の温泉に関心があったから約45%、日本の歴史、文化に関心があったから約47%で、2回目以降で日本の食に対する関心が約58%と約7%も上がります。

つまり、日本に訪日されるお客様の約6割近くが日本の食に対して関心を持っているし、この中で日本の歴史や文化に対する関心が深いという事を考えると、日本の歴史や文化の塊のような日本酒の国内での外国人旅行者に対する販売量が今以上に増えてもおかしくないと考えます。
実際、日本酒の英語のメニューを作成するだけでも全く売り上げは変わってきます。

現状から考えると、国内での外国人観光客に対する日本酒の英語メニューの整備や、日本の歴史や文化を地方毎に研究し、活かすことが日本酒の売り上げ増大や海外での日本酒の関税引き下げにつながると思われます。

最終的に日本酒を海外のお客様に飲んでいただくために必要なことは、日本人が自国の文化や歴史に目を向けて、如何に外国の旅行者の方に説明できるかにかかって来るし、輸出を増やしたいのであれば、訪日した外国人観光客を如何に日本酒のファンに変えていくかだと思われます。

 

参考文献
株式会社 日本政策投資銀行 地域企画部レポート アジア8地域訪日外国人旅行者の意向調査(平成25年度版)
株式会社 日本政策投資銀行 地域企画部 清酒業界の現状と成長戦略~國酒の未来~2013年9月

参考HP
農林水産省HP
国税庁酒類HP

 

以上です!
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石黒 建大

SSI研究室専属テイスター。酒匠、日本酒学講師、SSIの日本酒地酒検証研究員、日本酒香味検証研究員、日本酒セールスプロモーション研究員。 第2回、第3回世界利き酒師コンクールセミファイナリスト。現在は大阪の某有名料理店に勤務。