「"うに"を思う存分味わいたい!できれば、手頃な価格で.....」そんな願いを叶えてくれる店が、渋谷にあります。その名も「うに小屋」。一般的に広く出回っているうにのなかには、ミョウバンなどの食品添加物を使用したものが少なくありませんが、ここでは、それらを一切使用していない、無添加のうにを味わうことができます。
日本酒の品ぞろえも豊富で、うにを肴に日本酒を楽しむという極上の体験ができる「うに小屋」。その魅力に迫ります。
産地によって変わる、うにの味わい
「うに小屋」があるのは、渋谷と高田馬場。今回は、渋谷店にうかがいました。神泉駅から徒歩1分という、雰囲気のあるエリアに店を構えています。
店先には「完全無添加うに専門店」という言葉が掲げられ、訪れた人の期待感を高めてくれます。
さっそく、これぞ本物という、極上のうにを体験してみましょう。
店の代名詞とも言えるのが「うに刺し 4種盛り」(1人前2,900円)です。ひと口に"うに"と言っても、産地によって、その味わいは大きく異なります。また、産地が変われば漁期も変わるため、産卵期の10月を除けば、年間を通して新鮮なうにを楽しむことができるのです。
この日の4種は根室産、噴火湾産、函館産、北方四島産。味の違いは本当にあるのでしょうか。半信半疑のまま口へ運んだ瞬間、衝撃を受けました。
たとえば、北方四島産のうには甘味が強く、まるでスイーツのような印象。余韻が長く、しっかりとしたコクがあります。対して、噴火湾産のうにはさっぱりとしていました。
これほどまでに味が異なると、合わせる日本酒も迷ってしまいますね。そこで、どんな料理とも相性が良く、飲み飽きしないおすすめの一品「会津中将 純米吟醸」(790円/120ml)をいただきました。うにをアテに、ちびちびと飲み続けられそうなお酒です。
この他にも30種類ほどの日本酒を用意しているそうで、うにとの相性をいろいろと試してみたくなります。
うに刺しに次ぐ人気を誇るのが「うにと肉刺し 赤身/大トロ食べ比べセット」(850円)。熊本県産のとろけるような馬肉の上に、甘味のあるうにが載った、極上のメニューです。
合わせる日本酒は「鼎 純米吟醸(信州銘醸/長野県)」(790円/120ml)。フルーティーな香りと旨味が特徴的でキレが良く、馬肉の油分をさらりと流してくれます。
うに小屋では、鮮魚もおすすめとのこと。今回は、鯖の刺身をいただきました。一般的に目にするしめ鯖ではなく、完全生の刺身とのことで、たっぷりと乗った脂の甘味がふくよか。ふんわりとした身の中にしっかりとした歯ごたえが感じられます。
「十四代」「獺祭」「新政」などのプレミアムなラインアップから、東京ではあまり見かけることのない小さな酒蔵のものまで、幅広い日本酒を取りそろえています。さまざまお酒を飲み比べることで、新しい発見がありそうですね。
無添加うにの美味しさを知ってほしい
最後に、うに小屋を経営する株式会社プラス・フード・システムの代表取締役・勝俣賢治さんに、無添加のうにに対するこだわりを伺いました。
「もともと私は、うにが嫌いだったんです。しかし、10年前に無添加のうにを食べたときに、衝撃を受けたんですよ。世の中には、私と同じように、無添加のうにを食べたことのない人がたくさんいる。その人たちに、本当の美味しさを知ってもらいたいと思って、店を始めました」
食品添加物を使うことで、うにの形が崩れにくくなるそうですが、一方で、苦味や渋味が出てしまうなど、味わいに悪い影響を与えてしまうこともあるのだとか。「うに小屋」では、漁師の方々と良い関係を築き上げることで、上質なうにをリーズナブルな価格で提供することを実現しています。
うにをつまみに、日本酒を一杯。うに小屋で、ちょっと贅沢な気分を味わってみては、いかがでしょうか。
◎店舗概要
- 店名:うに小屋 渋谷店
- 住所:東京都渋谷区円山町18-2 林ビル1F
- 電話番号:050-5594-8234
- 営業時間:17:30〜23:30(日曜は22:00まで)
- 定休日:お問い合わせください
(取材・文/古川理恵)