2004年から開催されている大人気の日本酒イベント「にいがた酒の陣」。東日本大震災のあった2011年を除いて毎年行われ、昨年は2日間でおよそ14万人が来場するという大きなイベントです。新潟県内の80蔵以上から500種類以上の銘柄が登場。日本最大級ともいえる日本酒イベント初日の様子をお伝えします。
今年は天気に恵まれ、早朝から並ぶ入場者が寒さに震えることなかった様子。開場を待ちきれない雰囲気が漂っています。
イベントが始まると会場は最高潮に。日本酒ファンの熱気に包まれました。
会場内は「佐渡・上越」「中越」「下越」というエリアに分かれ、お目当ての銘柄が探しやすいようになっています。
「佐渡・上越」エリア
こちらは「真野鶴」を醸す尾畑酒造。
「新潟県のお酒には『淡麗辛口』のイメージがあるかもしれませんが、実際はとてもバラエティーが豊かなんです。地域ごとに分かれているので、味のグラデーションをわかっていただけたらうれしいです」と尾畑さん。おすすめは、酒の陣限定の「越」と「逢」。佐渡産の越淡麗を使用し、「自然のおおらかさを感じられる味わいです」とのことでした。
尾畑酒造のブースでは、インスタ映えしそうなアイテムもあり、お祭りらしい空気が漂っていました。
北雪酒造の羽豆さんは「酒の陣でしか呑めないものをそろえました。ぜひ味わってください」とのこと。
北海道のみで販売している『鬼夜叉』もありました。北海道以外では、ここでしかお目にかかれません。
加賀の井酒造の小林さんは「みなさんに心から楽しんでいただきたいですね」と感慨深い様子。火災で蔵が全焼し、再建して初めての「にいがた酒の陣」。ファンの方々がブースをあたたかく取り囲んでいました。
「中越」エリア
こちらは「萬寿鏡」のブース。本日はこれを目当てにしていた人も多いのではないでしょうか。
昨年は長蛇の列ができてしまったため、今回から整理券を配っています。「F40」は170本、「しずく」は150本を用意しました。2日目も合計100本以上をそろえるのだとか。絶対に手に入れたいという人は、早めに会場へ入ったほうが良いでしょう。
朝日酒造のおすすめは「久保田 純米大吟醸』。また、昨年から発売された「天籟(てんらい)」は一升瓶で1万円と、朝日山シリーズのなかでは高額商品ですが、華やかな香りとふくよかな味わいにはそれだけの価値があります。
「下越」エリア
笹祝酒造のブースにはかわいらしいパンダのオブジェが飾られ、記念撮影する人が大勢いました。
「今年のテーマはパンダ!白と黒です」と、蔵元の笹口さん。
『さぁさ、祝おう 新潟の酒』がキャッチフレーズの笹祝酒造。「お祝いのお酒だからこそ、このイベントでは特に楽しんで飲んでほしい」と話します。
「王紋」を醸す市島酒造が持ってきたのは猫のラベルが印象的なお酒。低アルコールで飲みやすく、リンゴ酸を感じるフルーティーな味わい。本日発売の商品だそう。
同じく、本日初出荷という「夢 無濾過生原酒」。搾ったばかりのフレッシュな味わいを楽しみましょう。
新潟県は食の宝庫!
「にいがた酒の陣」の魅力は、お酒だけではありません。新潟県のグルメを堪能できるブースもたくさん出店しています。
特に人気があったのは牡蠣。途切れることなく行列ができていました。
熱々のおでんも、お酒との相性が抜群。
大人数グループのテーブルにはおつまみがずらりと並んでいます。お酒をいくつか購入して、みんなでゆっくり呑んでいる様子でした。
それぞれがそれぞれの楽しみ方を見つけながら、「にいがた酒の陣」を満喫していました。
ちなみに、来年からは運営方法が見直され、回数券制になるのだそう。入場者数が年々増加しているため、混雑の緩和と安全性を向上させるのがねらいです。
これまでのように、全酒蔵の試飲が自由にできるのは今年までかもしれません。平成最後の「にいがた酒の陣」、2日目も思いっきり楽しみましょう!
(取材・文/まゆみ)