こんにちは!SAKETIMESライター永木三月です。
普段は、『永木三月のテイスティングログ』というブログを拠点に、お酒の試飲会などの食べ物が集うイベント、おいしいお店の紹介をしています。また、定期的に「おいしいもの味覚鑑賞会」という食べ比べの会を開催しています。
今回のテーマは、日本酒レトルトカレー食べ比べ第2弾!(第1弾はこちら)
日本酒カレーの中でも本格的と名高い『純米酒カレー』シリーズから、山口「獺祭」、岩手「南部美人」カレーを、食べ比べ形式でご紹介します!
はじめに
みなさんは、日本酒を使ったレトルトカレーがあるのをご存知でしょうか?
「カレーにお酒?」と思う方も多いかもしれません。確かにスパイスを主体としたインドカレーでお酒を使うことはまずないでしょう。ただ日本のカレーライスの元となったのは欧風カレーであり、そちらでは旨味を増すためにワインを使用するのはそれほど珍しいことではありません。
日本酒カレーはそれほど種類が豊富ではありませんが、それでも10から20くらいの種類が販売されています。
今回チョイスしたのは、レトルトカレーで日本全国の日本酒が楽しめる『純米酒カレー』シリーズ。全部で6種類ある中から、岩手県「南部美人」(料理写真画像左)、山口県「獺祭」(同画像右)を使ったレトルトカレーを、それぞれご紹介いたします!
純米酒カレー 食べ比べ
①岩手「南部美人」
まずは「南部美人」を使った純米酒カレー。
「南部美人」は岩手県を代表する酒蔵の1つで、明治35年の創業です。
元々は、醤油の醸造元だったそうで、その技術を活かして日本酒の酒蔵として活動を始めたそうです。
最近では日本酒の国際的な活躍及び評価が取り上げられることが多くなりましたが、こちらの「南部美人」は、日本酒の輸出を早い時期から率先して行ってきた酒蔵の1つで、現在では世界24カ国に輸出を行っています。
普通の日本酒の他に、糖類無添加の梅酒や、ブルーベリー、イチゴなどを使ったリキュールなどでも有名で、日本酒の酒蔵としてはかなり手広い展開をしている酒蔵の1つだと言えるでしょう。
今回いただいた純米酒カレーは、南部美人の純米大吟醸50をたっぷり使っているという1品。
(「純米大吟醸50」という製品名自体は調べても見当たらないので、もしかしたら特注品なのかもしれません)
味わいの方は、吟醸ならではのフルーティさがありつつも、爽やかな辛さやフレッシュさが目立つ印象です。後味にはスパイシーさと共にキリッとキレの良い風味が感じられ、元の日本酒の味がしっかり活かされた1品だと言えそうです。
具材は、両方とも牛肉のみ。繊維のほぐれ方は柔らかく良いです。
獺祭の方と比べると、やや味が一辺倒にも感じられますが、キレの良さや爽やかな旨味ではこちらに軍配があがります。
②山口「獺祭」
もう1つは、山口の旭酒蔵「獺祭」を使った純米酒カレー。
日本酒ファンなら「獺祭」の名前を知らない人はほとんどいないのではないかと思います。
現在ではその人気から、日本でも入手が最も困難な日本酒の1つではないでしょうか?
元々リーズナブルでおいしいお酒として、日本酒ファンには知られていたようですが、映画版のエヴァンゲリオンに登場したことや、マスメディアでの露出で波に乗り、2000年代後半には日本酒の中でもトップクラスの人気を誇る銘柄になったようです。
私も獺祭の吟醸酒は何度か飲んだことがあります。精米歩合や製造方法などでさまざまなバリエーションがありますが、上品なフルーティさはどれにも共通しており、とてもおいしい日本酒です。
今回いただいたカレーは、獺祭の「純米大吟醸50」を使った1品。このお酒は1升で3000円程と、獺祭の純米大吟醸の中で最も手に入れやすいもので、そのおいしさとコストパフォーマンスの良さで人気のお酒です。
南部美人と違うのは、カレーの色が比較的薄めなことと、お酒が丸みを帯びていて穏やかな味な分、上立ちにスパイシーさが感じられること。
味わいは、まず甘酸っぱい風味が来て、そこから酒の旨味、最後にスパイシーさになだらかに抜けて行きます。
南部美人に比べて、味の展開が感じられ、ややデリケートな味わいが魅力だと言えます。きちんとお酒毎の違いが味わえるのがこのシリーズの面白い所です。
最後に:テイスティングを終えて
いかがでしたでしょうか?
今回も2品を食べ比べてみました。同じシリーズということもあって、レベルの違いはあまりないものの、銘柄による味の違いはかなり感じる食べ比べになりました。
岩手「南部美人」はキレの良い爽やかな味わいが、山口「獺祭」はボディがマイルドな分スパイスの香りと混ざり合った味わいが特徴的でした。
前回いただいた「酒蔵の酒カレー」と比べると、今回の方がやや品が良かった印象です。『純米酒カレー』シリーズはこれら以外に、「田酒」「天狗舞」「梵」「千代むすび」の4種類があります。
面白いシリーズなので、これを見て興味を持った方は、自分の好きなお酒や飲んだことのあるお酒でぜひ1度試してみてください。
みなさんの、さらに豊かな日本酒ライフに貢献できれば幸いです!
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