冬は温かくてこってりしたものが恋しくなりますね。今回は、その定番ともいえるチーズフォンデュを和風にアレンジし酒肴にするというメニューです。
日本酒に合うこと、いえ、日本酒の実力がより明快になること請け合い。どうぞお試しください。
味噌を使って和風仕立てに
本来は火にかけた白ワインにチーズを溶かして作るチーズフォンデュ。ここでは日本酒を使い、さらに味の決め手に味噌を加えます。味噌とチーズはどちらもコクが深く相性の良い食材ですから、その美味しさは想像に難しくないと思います。
また今回紹介する和風チーズフォンデュは、専用の道具がなくても小鍋か小型フライパンで楽しめるのが魅力です。
【材料】1~2人分
- ミックスチーズ(ピザチーズ)...100g
- 片栗粉...小さじ1
- 酒...1/4カップ
- 味噌...適量
- バゲット、じゃがいも、かぼちゃ、大根、ポークウインナー、えび、ちくわ...etc
そのほか、チーズと合いそうなものがあれば、お好みで用意してください!
【作り方】
イ. 生の具材は茹でるなどして食べられる状態にしておく
ロ. チーズに片栗粉をまぶしておく
※とろみをつけるために使います
ハ. 小鍋に酒を入れ味噌を完全に溶かしておきましょう
二. ハを弱火で温めチーズを溶かす
※半分ずつ入れると溶きやすくなります
【食べ方】
- 具材を串に刺しチーズを絡めていただきます
- 卓上コンロで、とろ火で温めながら食べると、トロトロであつあつのチーズが楽しめます
チーズのコクと溶け合う「天明」の生酛特別純米
チーズは加えた味噌によって、その風味をいっそうふくよかでコク深くします。元来、多くの食品と相性の良いチーズですから、からめて食べる具材もさらに美味しくなり、次々と手が伸びてしまいます。
チーズの旨味に寄り添うお酒として、今回は生酛らしい旨みやコクがある「天明 生酛 特別純米酒 焔」を用意しました。
近年は生酛造りの中にも、蔵の創意工夫によって醸した芳醇な酸を魅力としてアピールする酒が多いように思います。その最たる例にあるのがこの1本。
まずは室温に戻して飲んでみます。さらりとした口当たりから豊かな酸を伝えてきました。舌で探ってみれば、生酛らしい旨みやコクがありますが、それを酸味が大らかに包み込んでいる、そんなバランスの良さを感じさせます。
このままでも十分に味わえると思いますが、造り手はラベルを通して燗を推奨しているので、試してみない手はありません。
湯煎し、温度を上げてみると、酸味がふくらんで、よりなめらかに口に馴染んでいくのが分かります。同時に旨みや甘みも引き立ち、酒の個性を余すことなく表現しているかのよう。
チーズフォンデュを食べてからのひと口では、酒はさらに柔らかく変化して味わいを豊かにし、料理との相性に一層の奥深さを感じます。口の中が一気にさらりとして余韻も軽妙。チーズと酒、互いの酸味が見事に同調し、両者の良縁が期待から確信に変わりました。
みなさんも、チーズフォンデュと日本酒の相性の良さを、ぜひご自宅で確かめてみてください。
(文:KOTA/編集:SAKETIMES)