全国各地の酒蔵から、旬の「ひやおろし」が出荷される秋。飲み手にとって、うれしい季節の到来です。旬の酒には、季節の味わいを添えて楽しみたいもの。今回は、秋鮭の南蛮漬けを紹介します。
さっと揚げた生鮭の淡白な身に、酢の効いたタレが絡んで食べ応え充分。素揚げした野菜の風味も相まって、ひやおろしとの相性が大いに期待できます。
酸味を効かせて、秋鮭を味わう
【材料】
- 生鮭......2切れ(食べやすい大きさでそぎ切りにする)
- 茄子......1~2個(縦半分に切ってから、1cmの斜め切りにする)
- ししとう......5~6個
- 薄力粉......適量
(鮭の下味)※あらかじめ混ぜ合わせておく
- 酒......大さじ1
- 醤油......大さじ1
(南蛮酢)
- ダシ汁......1/2カップ
- 酒......大さじ1
- 醤油......大さじ1.5
- 砂糖......小さじ2
- 長ねぎ......1/2本(縦半分に切って、斜め薄切りにする)
- 赤唐辛子......1本(小口切りにする)
- 酢......大さじ3
【作り方】
イ. 酒と醤油をあわせて、鮭を10分ほど置き、下味をつける。
ロ. 「南蛮酢」に使う酢以外の材料を小鍋に入れて、軽く沸騰したら火を止めて酢を加える。
ハ. イの鮭を取り出し、キッチンペーパーで汁気を拭き取って、薄力粉を薄くまぶす。
ニ. ハの鮭と野菜を揚げる。
ホ. 揚がった材料を、10~20分ほど「南蛮酢」に漬ける。
「南蛮酢」は、調味料を加減しながら、好みの味に整えてください。野菜はお好みのものを選びましょう。また、赤唐辛子を針唐辛子に代えて盛り付けても良いですね。
旬の味覚には「あきあがり」を添えて
鮭そのものは淡白ですが、酸味の効いた南蛮酢がベースとなって、濃厚な味わいに仕上がっています。合わせる酒も、同じく濃厚なテイストが良さそうです。
まずは常温で。山廃らしいコクの深さを思わせるふくよかな香り。口に含むと、酸味や旨味がググッと感じられます。素材の味が強く、無濾過ならではの野太さを実感しました。キレも冴えています。
料理とともに味わうと、丸みのある甘味が増したような印象。酸味の効いたタレと自然に溶け合い、実に良縁です。その美味しさに杯がすいすいと進んでしまいそうですが、2杯目からは燗をつけて、ゆっくりと味わうことにしました。
口当たりは常温のときよりもスムーズになりました。とても良い燗上がりです。
ゆっくりと飲むつもりでしたが、燗にするとさらに杯が進みます。アルコール度数がやや高いので、割り水をしても楽しめるでしょう。
(文:KOTA/編集:SAKETIMES)