こんにちは、SAKETIMES編集部です!5月も終盤にさしかかり、もうすぐ梅雨の季節ですね。夏が近いとはいえ、雨が降るとちょっと肌寒さを感じますよね。意外と身体が冷えるこの時期。ちょっと温まりたい・・・そんなときには燗酒がおすすめだったりします。 ⇒夏こそ燗酒!夏に燗酒をおすすめする3つの理由
というわけで、今回は5月24日に行われた燗酒イベント、「純米燗北海道in札幌」をレポートしました!
6回目の純米燗酒イベント
日本全国に広がる日本酒復権の波は留まることを知りません。
最北の地、北海道にもしっかりと波は届いています。
飲食店や酒販店を中心においしい日本酒を広めていこうという動きが活発化していて、札幌では飲食店の皆さんが協力して立ち上げた、今回6回目となる「純米燗北海道in札幌」が5月24日、札幌市内のホテルで開催されました。
純米酒をお燗して、ホテルのフルコースの料理と合わせるイベントで、「純米燗札幌」として開催された1回目は200人の参加でしたが、会を重ねるにつれ参加者も増え、今回は280人と会場は大盛況となりました。札幌のみならず北海道へ広めたいという意味でこの6回目から名前を変えましたが、北海道各地から参加者が集まり、道産子にも徐々に燗酒党が増えていることを実感します。
純米燗と食の相乗効果に衝撃
発起人である「串焼・酒肴 晴れる屋」店主・山崎圭一さんが、神奈川の酒販店の手引きで呑んだ純米燗酒と食の相乗効果にカルチャーショックを受け、このおいしさを道産子にも広めたいと思ったことがきっかけでした。
知り合いの飲食店や酒販店の協力をあおぎ、参加蔵は、純米酒のレジェンドである神亀酒造の小川原良征専務に趣旨に賛同してもらい、蔵が代表幹事を務める「全量純米蔵を目指す会」の会員蔵と、その考えに共鳴する蔵が1回目から集まりました。
今回は18蔵で86銘柄の出品酒が出揃い、蔵元の皆さんは、各ブースでお手伝いしている飲食店さんと共に、休む暇なく燗付けとお客さんへのお酌をしていました。
熱気と幸せな酔い心地に包まれる会場
筆者もこれで3回目の参加ですが、会場は最初からものすごい熱気に包まれます。開場と同時に参加者の皆さんは席にはつかずに、各酒蔵のブースに殺到するところから始まります。乾杯や閉会のあいさつはありますが、付け足しのようなもの。
参加者の皆さんは、ひとつの蔵のブースに長い間留まり、酔っ払いながらも真面目に説明を聞く姿が印象的で、どこのブースもすし詰め状態です。
今回初参加の「十旭日」を醸す旭日酒造の寺田栄里子副杜氏は「他の地域と違うのは、北海道の皆さんは元気がいいですね。お酒のへの興味も強いし、ブースから離れない。それでいてマナーはしっかりしています。次も来たくなる会です」と笑顔を浮かべます。
初回から参加している「隆」「丹沢山」を醸す川西屋酒造店の露木雅一代表は「最初は常温や冷を求められたり、燗酒に慣れていないなと思いました。ですが今は積極的に燗酒を飲んでくれています」と浸透に手ごたえを得ている様子。さらに「燗酒はできれば口の薄い平盃で呑んでほしい。ぐい呑みとは味が全然違います」とアドバイスもいただけました。
「悦凱陣」の丸尾本店代表取締役・丸尾忠興さんは「今のグルメの時代、お酒は酸を出さなければいけません。どんな料理でも、酸が旨みとの相乗効果を出しますし、燗にすると酸も引き立ち、胃に食事も入っていきます。北海道の塩っ辛いお摘みにも酸のある燗酒が合います」と意見を述べ、「るみ子の酒」等の森喜酒造場・森喜英樹代表は「温かい料理には特に燗酒が合います。北海道なら石狩鍋に合わせてほしいかな」と話してくれました。
北海道は、大げさにいうと燗酒不毛の地でした。冬は極寒ですが、家の中は暖房で温かいため、キンキンに冷えたビールを飲んだりアイスクリームを食べたりという習慣がありました。日本酒人気が回復してきた現在でも、燗酒を飲む割合は一般的には低いです。
しかし、飲食店や酒販店の努力でこのようなイベントを続け、参加者を通じて輪が広がっていけば、純米燗酒への理解も深まり、幸せな呑兵衛が増えることでしょう。もちろん、蔵元にも、純米に限らず燗上がりする良い酒を醸し続けてもらうことを期待しています。
◎参加酒蔵
森喜酒造場(三重県伊賀市)銘柄「妙の花」「英」「るみ子の酒」
田治米合名会社(兵庫県朝来市)「竹泉」
川村酒造(岩手県花巻市)「酉与右衛門(よえもん)」
月の井(茨城県東茨城郡大洗町)「月の井」「和の月」
神亀酒造(埼玉県蓮田市)「ひこ孫」「神亀」
藤井酒造(広島県竹原市)「龍勢」
逸見酒造(新潟県佐渡市)「真稜」
旭日酒造(島根県出雲市)「十旭日」
秋鹿酒造(大阪府豊能郡能勢町)「奥鹿」「秋鹿」
旭菊酒造(福岡県久留米市)「旭菊」
金の井酒造(宮城県栗原市)「綿屋」
丸尾本店(香川県仲多度郡琴平町)「悦凱陣」
向井酒造(京都府与謝郡伊根町)「京の春」
鯉川酒造(山形県東田川郡庄内町)「鯉川」
川西屋酒造店(神奈川県足柄上郡山北町)「隆」「丹沢山」
諏訪酒造(鳥取県八頭郡智頭超)「諏訪泉」「満天星」「鵬」
大矢孝酒造(神奈川県愛甲郡愛川町)「昇龍蓬莱」「残草蓬莱」
梅津酒造(鳥取県東伯郡北栄町)「応援之酒 冨玲」「梅津の生もと」
◎ 飲食店
「味処 高雄」
「蕎麦切り 春のすけ」
「鉄板焼 みつい」
「純米燗酒と旬味のお店 マルカ商店」
「旬彩鮮魚 味和久」
「酒肴や 伸」
「和食や 円」
「かわかみ」
「二代目 佐平次」(函館)
「地酒・季節料理 神田新八」(東京)
「酒 杜一」
「くしあげ To-La La」
「ビーストキッチン」
「桜亭」
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