こんにちは!SAKETIMESライターの三浦環です。
今回は先月、靖国神社で行われた黄葉見酒まつりでの新政酒造 佐藤祐輔さん、福禄寿酒造(一白水成)渡邉康衛さんをゲストに迎えたトークショーのレポートの後編になります。(前編はこちら)
トークショーも半分を過ぎたあたりで、お二方が参加している共同醸造の話題へと移りました。秋田県の酒蔵5蔵が集まり、それぞれ作業を分担しその分担を毎年5蔵が共同醸造を行なって、5回に渡りNEXT5というお酒が限定で製造販売されています。
NEXT5は新政・一白水成・春霞・ゆきの美人・山本のお酒を醸す5名で成り立っています。
NEXT5の結成の成り立ち
近代に入り、酒蔵では蔵元はほぼ経営者を担当し、お酒造りに関しては杜氏が担当するという完全分業制の状況でした。元々、昔は蔵元も酒造りを行っていましたが、その忙しさや酒造りの規模の拡大した時期より分業制へと変化したためです。しかし、近年、再び蔵元も酒造りに参加したり、このようなお酒を造りたいと考え始めたことにより蔵元であり杜氏であるというのが最近の流れとなってきています。
4年前の結成の頃、秋田県内においてもこのような流れは同様にありました。その当時、蔵元であり酒造りに参加しているのがこのNEXT5の5人でした。秋田県の蔵元が集まる場で二次会以降に残るのはいつもこの5人で、その度に酒造りの話をオープンに話し合っていたことにより、それならばチームを作り、酒造りに関しての相談などをしようということで技術交流のためにこのNEXT5が結成されました。
このNEXT5結成により、それぞれの蔵での酒造りの技術はかなり高まったそうです。そして話は酒造りに重要な米へと。
酒造りの米に関して
一白水成では米というのは酒造りの肌の感触だけでなく、一年を通して天候や田んぼなど目で見て感じているそうです。米作りも酒蔵が管理して行う必要性を重視しています。
新政では、契約農家からの米が8割強だそうで、いずれ米作りもやりたい、無農薬での栽培にも興味を持たれている、とのことでした。
一緒にチームを作っている同じ県内の酒蔵でも、それぞれの考え方や理想のお酒というものは違うのですね。
皆さんもお気に入りのお酒を見つけたら、このようなお酒にまつわるストーリーやその酒蔵のお話を聞いてみたり調べてみると、もっともっと飲むことが愉しくなりますよ♪
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