こんにちは!SAKETIMESライターの三浦環です。
今回は先月、靖国神社で行われた黄葉見酒まつりでのトークショーの様子を前編・後編に分けて書かせていただきたいと思います。
11月29日、雨の降る中、見頃を迎え黄色に染まった銀杏並木が美しい靖国神社内の靖国会館にて新政酒造 代表取締役社長 佐藤祐輔さん、福寿録酒造(一白水成) 代表取締役社長 渡邉康衛さん、童仙房ナーセリー 藤田義敬さんによる蔵人・花人トークセッションが行われました。
紅葉を目で、お酒を口で、トークショーを耳で愉しむというのが今回の黄葉見酒まつりのテーマ。会場には100名の聴衆者が集まり、秋田の蔵元集団NEXT5(新政、一白水成、春霞、ゆきの美人、山本)のお酒を味わいながらセッションを愉しむというスタイルでした。
黄葉見酒まつりでのトークショーってどんな会?
お酒のラインナップは新政 エクリュラベル、一白水成 プレミアム純米大吟醸、ゆきの美人 山田錦 6号酵母、春霞 特別純米 栗林、山本 純米吟醸 白ラベルの5種類。トークショーがメインなのでお酒は飲むことがメインのイベントと違い、一杯ずつ手元に順に運ばれてきます。
乾杯のお酒は新政のエクリュラベル。テーブル上には美しいクリスマスローズの花が飾られ華やかな雰囲気の中、美味しいお酒をいただきつつ花人 藤田さんの花とお酒の共通点についてのお話を聞きました。
藤田さんはその場に花があるとコミュニケーションの要となり、会話や交流を円滑に進められるというところがお酒と共通する部分であると考えているそうです。そのお話の途中で、佐藤社長と渡邉社長にも小さくて可愛いブーケが贈られる一場面もありました。
「幾重にも味の層が重なり合うお酒」新政
ー「地元の料理を活かすミネラルたっぷりのお酒」一白水成
乾杯で新政のお酒をいただいたことで自然と新政のお酒のラベルの話に。
2009年より新政から出ている単一米(通常、複数種類のお米を使いお酒を作ることが多い)のお酒、やまユ。このシリーズのお酒はお米の種類によりラベルの色が変えられています。
「新政のお酒のラベルの色に対する味のイメージ」は、緑はふくよかさ・硬さ、青は渋味、ピンクはふっくら・やわらかさ、白はひたすら美しい味わいをイメージされているそうです。
「どのようなお酒を造ろうと考えているのか?」という質問に対しては、新政ではスリムでエレガント、そしてミルフィールのように重層化したもので垂直でも水平でも多層性のあるお酒を目指しているとのこと。
一方、一白水成では自分の好みのタイプのお酒を造りたい、自分の好きな女性と同様に華があり(会場に笑いが起こり和やかな雰囲気に)、ボリューミーで香りがあって農家さんのお米の味がするものを目指しているそうです。
「食べるものを想像してお酒造りをしているのか?」という質問には、新政では食事とは考えたことがなく自然のものを活かすという気持ちで造っており、食事との相性は飲食店が選ぶものであるという認識です。
一白水成では地元の料理との相性を考えられています。蔵のある五城目町では春は山菜、秋は茸、蔵前で行われる朝市では海の幸も山の幸も豊富にあるのでどちらとも相性の良いお酒を目指しているとのことです。是非、グルタミン酸がたっぷりの貝と一白水成のミネラル感がたっぷりのお酒を愉しんで欲しいと提案されていました。
会場は最初は少し張り詰めた空気もありましたが、この辺りで提供されるお酒やお花、そして柔らかな語り口にその空気も解れたように感じました。藤田さんが言っておられたようにテーブルの上の可愛らしいクリスマスローズ、美味しいお酒、お酒を愛する人、そのお酒に愛情を注ぎ造る人、それぞれの立場や環境があることでこの和やかな雰囲気は作られるのだと実感しました。
続く・・・
後編は「NEXT5やお米について」です。
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