こんにちは、SAKETIMESライター川村道宏です。
日本酒好きが高じて、日本酒と懐石料理の店を営んでいます。
色々な角度から、日本酒のさらなる楽しみ方をお伝えさせて頂きます。
注ぎ方で味が変化する!?第2弾です。

前回は基本的な3つの注ぎ方を、ご紹介させて頂きました。
今回は、もう少し踏み込んで伝えさせて頂きます。もちろん超カンタンです。

前回の記事は、こちらです。→みんなが知らない日本酒の秘密、教えます!実は「注ぎ方」で味わいが変化する!?

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注ぎ方で味わいを引き出す!?

前回は注ぎ方で味が違う事を伝えさえて頂きました。
それも、同じお酒。
同じグラス。
さらに、同じ温度で。

前回は伝えていなかった「なぜ?味を変える必要があるのか?」をお話させて頂きます。

食事を楽しむ時は料理に合わせてその都度お酒を変える方がより相性がよくなり楽しみも倍増するかと思います。

しかし自宅では、なかなか多くのお酒を用意する事が出来ませんし、
保管、保存するのも大変ですね。

晩酌の時に、1本の日本酒で料理に合わせて味わいが変わればなぁ・・・
と思ったのがきっかけで、「注ぎ方で味わいが変わる」事に気が付きました。

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正確に言えば、『注ぎ方で膨らませる味わいを引き出す』事でしょうか。
例えば今夜の晩酌は「鯛」だとします。
だれもが、そのまま頭からバリバリと食べる事はしません。
お刺身にしたり、煮付けにしたり、焼いたり。

鯛がより、美味しく食べられる料理をすると思います。

実は日本酒も料理ができるのです。
今では一般的に広く認知されている、抜栓をしてから空気に触れる事で味が変わっていく。
ワインで言うとデキャンタでしょうか。

注ぎ方の違いで味わいの違いは、そのデキャンタを目の前で即席で行う事によく似ています。

例えば、鯛のお刺身だけでも合わせる味わいが多数あります。
醤油で食べるのか?
ポン酢で食べるのか?
塩で食べるのか?
さらに、鯛の時期によって脂ののりが違うので変わってくると思います。

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その多数の食べ方の鯛のお刺身に注ぎ方で膨らませる味わいをより引き出すのです。
もう少ししっかりした味わいに。
もう少しキレを出した味わいに。
もう少し華やかな味わいに。
もう少しまったりとした味わいに、などなど。

そのもう少しを注ぎ方の違いで引き出せるのです。

 

どうすれば引き出せるのか?

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注ぐ勢い(量)はゆっくり(少ない)だと、優しい味わいに。
逆に一気に注ぐと荒々しいしっかしした味わいになります。

さらに、スパッとキレる注ぎ方は、ワインで滴が垂れない様に使う道具を使います。

私は『ドロップストップ』と言いますが、丸いフィルムで出来たものです。

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ドロップストップは本来滴を垂れない様にする道具ですが実は味が変わってしまうのです。
瓶からそのまま注いだ日本酒と、ドロップストップを付けて注いだ日本酒は味が違うのです。

瓶の口は5mm以上もある分厚いガラスから注ぎますが、ドロップストップは1mmも厚さはありません。
その厚みの差は味の差に繋がっているのです。

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ドロップストップを付けて注いだお酒はキレがあります。

前回、伝えた『トポトポ』 『スー』 『ドボドボ』と組み合わせると無限のバリエーションが楽しめます。
飲み会が多くなるこの季節に是非是非試してみて下さい。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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