こんにちは!SAKETIMESライターの三浦 環です。今回は奥能登酒蔵学校のご紹介をさせていただきます。

奥能登酒蔵学校とは?

 奥能登酒蔵学校は能登半島の北端に位置する奥能登の酒蔵6蔵がチームを組み、「石川県能登の魅力を伝えることにより能登に愛着を持ってもらうこと」を目的とする日本酒講座を行っている学校です。東京では座学、石川ではフィールドワークで酒蔵での貴重な体験ができるという講義内容となっています。

能登に親近感を持とう!

 今回の講師は最年少で酒匠の資格を取得した山口奈緒子さん

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そして石川県からは数馬酒造・櫻田酒造・中島酒造店・白藤酒造店・日吉酒造店・松波酒造の蔵元の方々と石川県庁の杉本さんという豪華なメンバーがいらしてました。2015年の第一回目である今回の開催地は東京。方舟銀座インズ店にて行われました。

テーマは能登に親近感を持とう!ということで能登について知ることと6蔵のお酒の飲み比べが中心の座学です。山口さんの自己紹介の後、杉本さんの能登についてのレクチャーが行われました。

能登には世界に誇れる素晴らしい「能登の里山里海」があること、伝統的文化や能登の自然を活かした産業があること、今回の能登酒蔵学校では日本酒を通し能登にたくさんの方が興味を持って来てくれるようになることや地域活性化を目指されていることをお話されました。

下の写真は親指を立てて「能登の形はこんな感じです。」と紹介している様子です。みんなの顔が自然とほころんだ瞬間でした。

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次に酒蔵の皆さんの挨拶が行われました。

今回の酒蔵は全て奥能登という地域にある酒蔵です。6つの酒蔵をご紹介します(今回のテキストより)。

・数馬酒造株式会社

江戸時代から味噌・醤油の醸造を生業としていましたが、その仕込み水が酒造りに好適であったことから、酒造りを始めました。「心和らぐ清酒(さけ)造り・心華やぐ会社(いえ)作り・心豊かな能登(まち)創り」という企業理念を掲げ、地域と連携した酒造りをしています。

・櫻田酒造株式会社

細かいところまで目の行き届く酒造りや、お客様と「体験」という目的で一緒に酒造りができるのも魅力の1つです。

また、小規模な蔵が、地元で生きていくためには、地元を盛り立てなくてはなりません。4代目は、市や商工関連の活動に積極的に参加し珠洲市とその文化の振興を目指しています。その中で愛され、愛され続ける酒を育てていきたいです。

・合名会社 中島酒造店

奥能登の小規模な酒蔵です。百石程度の規模ですが能登輪島の地で地元の米・水・人によって酒を醸し、地元重視・地に根付いた地酒屋であると自負しているほど。少量生産手造りであるがゆえになおさら品質の追求には限りがなく、人からはコスト無視の趣味のような酒造りと言われるくらいに、古からの技術と情熱によって酒造りをしています。

・株式会社 白藤酒造店

享保7年(1722)にこの地で廻船問屋として創業し、質屋を経て酒造業を始めたのは江戸末期頃とのことです。現在は9代目の白藤喜一氏が、自ら杜氏として酒造りの中心を担っています。人と人の間に立って交流の潤滑剤でありたいと。笑顔と笑顔を繋ぐ酒でありたいと。これが9代目の目指す日本酒への想いです。

・日吉酒造店

蔵の地下には汲めども尽きない宝の水が湧き出ています。この日本海に最も近い井戸水で仕込んだ輪島の酒というのが自慢です。日吉酒造は輪島の朝市通りに面して建っています。前は朝市通り、後ろは日本海。朝市ではお客様で賑わいます。まさに朝市とともに賑わう手造りの蔵です。

・松波酒造株式会社

創業140年、昔ながらの酒造道具を大切に使い続け、手造りの寒仕込みにこだわり続けています。100年以上キレイで旨みいっぱいの井戸水が枯れることなく、造りを支えています。能登は豊かな自然に恵まれ、海山の新鮮な食材が得られる場所です。季節の旬に合わせ、それぞれに楽しめる清酒も揃えております。

このような能登の地域や自然と密接に繋がりあった蔵の方がこの講義を支えています。

 

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能登のお酒で乾杯!!のシーン。
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能登ってどんなところ?

 能登半島は石川県の北部で日本海に突き出しています。今回の6つの酒蔵のある奥能登という地域は能登半島の中でも最北部に位置しています。能登は暖流(対馬海流)と寒流(リマン海流)の合流付近で日本海に大きく突き出していることもあり、季節の移り変わりがはっきりしている地域です。北陸地方の中では夏はやや涼しくて冬は雪も少なめ。東京と比べても平均気温は2度ほどしか違わず、平均気温は13度くらいとのことです。能登には世界に誇れる「里山里海」があります。地域の自然や特性、生物の多様性を活かした土地利用、農林水産業、食文化、祭礼、工芸が伝統的に行われており、その生活が高く評価され、2011年6月に「能登の里海里山」は世界農業遺産の認定を受けました。

能登の魅力

能登の代表的な文化や産業には以下のようなものがあります。

白米(しろよね)千枚田

輪島市白米長にある棚田で絶景で有名な場所です。小さな田んぼが連なり、ここでは昔ながらの伝統的な手法での作業が行われ、日本古来の農法「苗代田」を復活させて稲作を行っています。千枚田に因み、千年続くようにとの願いも込め結婚式が行われたり、10~3月の冬季にかけては「あぜのきらめき」というイルミネーションのイベントもあります。多くの人がボランティアなどで農作業に参加し、この白米千枚田を守っています。

宇出津あばれ祭

石川県の無形民俗文化財に指定され、数あるキリコ祭りの中でも荒々しい祭りです。キリコとは一言で表せば巨大な灯籠です。能登では各地でこれを使用した祭りがあります。この宇出津あばれ祭りの開催はいつも7月第1金・土曜日に予定されています。

あえのこと

奥能登地域で各家ごとに伝承されてきた農耕儀礼で、山や海の幸を用いてあたかもそこに「田の神」が実在するかのように接待するお祭りです。

輪島塗

輪島市で作られる漆器で幾重にもなる工程の丁寧な手仕事で作られており、丈夫さと美しさを兼ね備えた漆器です。

いしり

「しょっつる」、「いかなご醤油」に並ぶ日本三大魚醤油。富山湾に面した内浦地区で作られ、真イカの内臓(ゴロ)を原料として「いしる」とは異なります。国内の数ある魚醤の中でも生産量は日本一を誇っています。

能登杜氏

日本四大杜氏の1つに数えられる職人集団です。ほかには南部(岩手県)、越後(新潟県)、但馬(兵庫県)があります。「能登流」と呼ばれるたかい技術を持ち、多くの銘酒や名杜氏を生み出してきました。しっかりとした濃い味が特徴です。

次は日本酒の技術的な話題へと移ります。

テイスティングをしてみよう!

 お酒は6蔵のものを1種類ずつ違う色でマークされたプラスチックカップに入れた形で配布され、山口さんよるテイスティング講座が始まりました。「テイスティングは飲む時に常時行うものでもなく、日本酒を堪能するためにこのようなやり方もあるのだと頭の片隅においていただけたら。表現することが大事で決して感じたことに対して間違いということはない。色々な人と意見を交換すると様々な表現を知ることにも繋がり、味わいの深さに気づいたり、人と共有することでお酒の場が楽しくなることもあるのでテイスティングをした後の感想をぜひ共有してほしい。」と山口さんは語ります。飲む前、飲む時、飲んだ後とシーンごとに、そして注目すべき点を色・香り・味わい・余韻として具体的な例をあげてもらいながら手元のお酒をテイスティングしました。

 

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6蔵のお酒を飲み比べ!

 それぞれの蔵のお酒の特徴を掴みながら、皆で1つ1つのお酒をテイスティングしていきます。山口さんの感じた特徴や相性の良い料理の例を聞きながら、受講生が各々の感性でテイスティングを行いました。その頃には同じテーブルにいた知らない方同士も言葉を交わしたりとかなり和やかな雰囲気に。お酒はおいしさももちろんですが、縁も運んでくれますね!!

 

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第2回は能登にて8月29日〜30日に行われます。能登の空気を感じながら貴重なフィールドワークが体験できますよ!

sake_g_school_in_noto_4 (1) 昨年のフィールドワークの様子

皆さんも是非参加してみませんか?
日本酒の講義といってもテイスティングの基礎だけではなく、能登の文化・自然などの紹介もあり盛りだくさんの120分でした♪

講義後には懇親会もあり(希望者のみ)、蔵の方ともより親交が深められました。

今後の詳細は、奥能登酒蔵学校Facebookページに記載されますので、是非チェックしてみてくださいね!

https://www.facebook.com/okunoto.sake

 

 

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