こんにちは!SAKETIMESライターとして記事を書かせていただきます、石井と申します。

実は私、現役の蔵元社長でありまして埼玉県幸手市というところの石井酒造8代目当主であります!
今回も現場での”あるある”を皆様にお届けできればと思っておりますのでよろしくお願いします。

 

業界人の " きき酒 "

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今日はきき酒についてです。
“きき酒”とは清酒の風味、色、味わいをチェックする事の総称でいわゆる味見です。

出来上がったお酒の状態はもちろん、瓶詰めされたものやタンクに貯蔵してあるものなど、きき酒をする場面は多々あります。それは酒が常に変化をしているからです。

◎まず色をチェック

きき酒の仕方をざっと説明致しますと、まず色をチェックします。色の照り具合や濁りの有無などを確認するためです。
日本酒は実は無色透明ではなく、渋い青色から山吹色のような色が本来の色です。◎が底にあるおちょこ(蛇の目ちょこ)は色を確かめるために蛇の目模様になっています。色を見たら香りを確かめ、その後口に含み味をみます。

 

◎次に香りのチェック

香りは確かめる要素が二つありまして、一つは上立ち香(うわだちか)と言いまして直接、酒の香りを鼻で感じる香り。もう一つは含み香(ふくみが)と言いまして、口に含んだときに鼻に抜ける香りのことを指します。

含み香をチェックするやり方が、「口に酒を含みながら空気を混ぜる」という慣れていないと結構難しいテクニックを使います。口に含みながら飲み込まず息を吸うイメージです。さらに舌の上で転がすように空気と混ぜるとより含み香を感じやすくなります。(このとき、舌触りなんかもチェックします)

 

「ジュルジュル」という音を立てて日本酒を飲む

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その含み香をチェックするときにどうしても「ジュルジュル」といった少し汚らしい音がしてしまうのです。
きき酒の大会等に行くと、その「ジュルジュル」と音を立てて味を確かめている風景はいたって普通なのですが、一般の飲食店ではとても行儀が悪く映ります。日本酒業界にいる人はわかっていてもなんとなく癖で「ジュルジュル」と音を立ててきき酒をしてしまうのです。

それも酒だけに関わらず、水やコーヒー等でも「ジュルジュル」と音をたてて無駄に利(き)いてしまうわけですから、もはや職業病なのかもしれません 笑

居酒屋でジュルジュルと音をたてながらお酒を飲んでいる人がいたら、その人は日本酒関係の仕事をいているかもしれません。

 

以上です!
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