ほぼ全量を山廃酛造りの個性派蔵

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文久3年(1863年)創業の150年以上の歴史を誇る蔵です。ほぼ全量を山廃酛造りで醸す、現代では珍しい酒蔵。本醸造、純米系で約1年、山廃酛で約3年の熟成期間を経て世に送り出す、個性あふれる蔵です。

山廃酛を今1度説明しておきますと、酒母を造り発酵を行う段階で天然の乳酸菌を呼び込み雑菌の混入防止を行い優良酵母を増やし発酵を促します。そのトラディショナルな酒造りへのこだわりと、骨太な味わいは燗酒好きの左党にファンが多い蔵です。

2006年の火事から復活

平成18年(2006年)2月、失火から、蔵の仕込み蔵と貯蔵蔵の大半を失う憂き目にもあいました。島岡利宣専務は、このまま酒造りを辞めようと考えていたそうです。しかし、小売業者や群馬泉ファン、はたまた同業者からも再興を懇願され、間もなく復活を決意したそうです。約半年でほとんどの建物と設備が回復し、同年から通常通り、酒造りが再開されました。

クラシックなお燗で絶妙な味わい

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この山廃純米は原料米に群馬県産の酒造好適米「若水」を中心に使用し、60%まで精米しています。香りはやや乳酸系のヨーグルト香を感じます。熟成させたことにより、しっかりした酸味とともに柔らかさが絶妙に同居し、爽やかさすら感じます。

「酸が高くゴツイ」という朴訥な味わいながら、さばけが良く、上品さも感じバランスが非常に良いと感じます。もちろん燗にすれば眠っていた旨み甘味が引き出され、艶やかさも感じます。また、開栓して時間が立った方が、味乗りが良くなることも確実です。

熟成の純米燗酒好きの方には、たまらない名品かと思われます。好き嫌いはハッキリ分かれますが、日本酒の奥深さを感じさせてくれる1品です。濃い味の料理やチーズ、くせの強い珍味などに相性が抜群でしょう。

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