最高のお米と渾身の生酛仕込み
奇をてらわない、しっかりとした米の旨みを出し、燗でより映える純米酒、というのが日置桜の印象です。鍛造生酛は鳥取県内で屈指の篤農家「内田百種園」の自然栽培の最高品質の酒米を使用して醸した酒にのみ名付けられます。生産本数も少なく、特約店のみの販売のため、簡単には口にできないかもしれません。飲食店などで見かけたら、是非とも口にしたい1本です。
蔵元の執念で蘇った強力米
使用されている酒米「強力」は蔵元が執念で復活させた、こだわりの米です。大正時代に鳥取県原産の酒米として人気を博しましたが、長い丈で栽培が難しいことなどが理由で、戦前に廃れてしまいました。幻の米と言われましたが、昭和61年に鳥取大学農学部に保存されていたわずかな種もみから復活栽培を始め、現在では県内の多くの蔵が強力を使用しています。
強力の特徴としては、新酒では硬さが目立ち味気ない印象を持ちますが、熟成させるにつれ旨みがどんどん増してきて、山田錦とはまた違った、骨太ながら切れの良い味わいになります。燗や熟成酒が好きな方のための酒米とも言えるでしょう。
綺麗な酸と米の旨みが燗でより映える
このお酒は精米歩合70%の低精白ですが、「内田百種園」のお米は雑味の成分ともなる蛋白質の含有量が極端に少ないということで、低精白とは思えない綺麗な味わいです。柑橘系の酸が心地よく、生酛特有の複雑味も相まって燗上がりすることは間違いないでしょう。煮つけなど濃い目の酒肴と抜群の相性を見せると思います。ホッと一息つきたい夜のお供にいかがでしょうか。
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