実り豊かな近江米を生かした酒造り

sake_kirakuchou_1 (1)

文政3年(1820年)に初代・喜田義左エ門氏が創業しました。当初は屋号を天満屋と称し、近江平野で実り豊かな近江米を生かして、湖東平野の八日市周辺に酒を卸していました。「喜楽長」の銘柄名は呑み手に喜び、楽しく酒を飲みながら、長生きしてもらいたい思いを込めて命名しています。

喜楽長は戦前から能登杜氏との縁があり、戦前から昭和29年まで、天保勇氏、昭和30年からは勇氏の息子・天保正一氏。平成18年からは家修氏、そして平成26年酒造度からは四家裕氏が就任し、いずれも能登杜氏です。四家氏のほかに数名の蔵人を採用し新体制で酒造りに励んでいますが、その初年度に全国新酒鑑評会の金賞を受賞(通算15回目)しています。

能登杜氏自醸酒鑑評会で3度最高賞を受賞

また、能登杜氏自醸酒鑑評会では常に上位入賞し、1989年、2013、14年は最高賞を受賞しています。今では蔵元が杜氏を兼務したり、社員杜氏も主流になってきましたが、同蔵は10月から3月までの季節労務で能登杜氏、蔵人を雇う昔ながらの杜氏制度で酒造りを行っています。杜氏や蔵人は酒造り以外の時期は農業や林業に勤しんでいます。

酸を感じられるキリッとした味わい

sake_kirakuchou_2 (1)

この純米大吟醸はまさに、能登杜氏の技術の粋をつぎ込んだ逸品。山田錦を40%まで磨き、金沢酵母を使用して醸されています。フルーティーで華やかな香りを感じ、口に含むと透明感があり、しっかりした酸を感じながら、迸る旨みが口中を支配しますが、酸が後口をキリッと引き締めてくれます。能登杜氏の醸すお酒は旨口で腰の強く、熟成させてよりおいしくなるという印象がありますが、この酒にも、しっかりとした味わいの中に凛とした芯の強さを感じます。寝かせるとどのような変化をしていくのか楽しみな、ポテンシャルを持っていると思います。

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES