海岸に日本一近い酒蔵

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丹後半島の先、重要伝統建造物保存地区に指定された「舟屋の町」伊根町に宝暦4年(1754年)から続く小さな蔵です。酒蔵の後ろがすぐ伊根湾という珍しい環境は、日本で1番、海岸に近い酒蔵のはずです。東京農業大学醸造科で学んだ蔵元長女の長慶寺(旧姓・向井)久仁子さんが、同大卒業後、父から杜氏を引き継ぎ、結婚後、夫婦二人三脚で酒造りを行っています将来的には全量純米酒蔵を目指しています。

伊根満開で人気満開

京の春の名を一気に広めたのは古代米の赤米を使った「伊根満開」でしょう。赤米に含まれるポリフェノール成分で鮮やかな朱色をした驚きの酒は、杏子のような柑橘系の甘酸っぱさと米の旨みを感じられる面白い味わいに仕上がっています。このお酒は珍しさも相まって、日本酒の会などで出品されると、あっという間に消えてしまう人気酒となりました。平成20年(2008年)からは欧米各国も輸出され人気を博しているとのことです。

骨太で落ち着ける最高の田舎酒

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京の春の味わいは太くて朴訥な、良い意味での「田舎酒」という印象です。洗練さとは裏腹なモコモコした感じは呑んでいて非常に落ち着く、晩酌でホッと一息つける、日常に寄り添ってくれるお酒だと感じます。

この生酛純米も京都丹後産の酒米「祝」を100%使用し、の旨みが凝縮されたような分厚い旨みに、酸味と辛みが溶け合い、フルボディながらさばけの良い、バランスの取れた味わいです。腰の強さも感じますので、常温で寝かせても、良い感じに熟成するのではないでしょうか?海の蔵なので、しょっぱい珍味や、濃いめの海の幸、煮魚など合わせても良いかも。

 

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