佐久の沢に咲く美しい花にちなんだ銘柄名

明治34年から酒造りを続けている伴野酒造ですが、酒造業が盛んな佐久地方では最も新しい蔵だそうです。北は浅間山、東は荒船山に囲まれ、南北に千曲川が流れる自然に恵まれた地域。主要銘柄の「澤乃花」は、清水が豊富な佐久の沢に咲く美しい花にちなんで命名されています。

平成15年度から5代目蔵元長男の伴野貴之氏が自ら杜氏となり、「米の味わいのする心地よさを感じられる酒」をモットーに長野県産の酒米「ひとごこち」中心に醸しています。

sake_sawanohana-beau-michel_4

今回紹介する「ボー・ミッシェル」。お洒落なラベルとボトルが、ワインやシャンパンを想起させます。このようなタイプは最近の商品と思われがちですが、「Michelle」という商品として1996年から販売していたそうです。ほとんどが地元消費だったため、世間に知られることはありませんでした。

ワイングラスに合う酒のグランプリに!

sake_sawanohana-beau-michel_3

口コミでジワジワと人気が広がっていましたが、2015年4月に開催された「第2回 京都 松尾大社 酒‐1グランプリ」でワイングラスがお似合いの「雅(みやび)部門」でグランプリ、さらに総合部門でもグランプリに輝き、注目を浴びるようになりました。

sake_sawanohana-beau-michel_2

アルコール度数は9度と低め。精米歩合や使用酵母などは非公開ですが、純米酒であることは原材料を見てもわかるとおりです。名前の由来は、お酒の仕込み中に蔵に流れるビートルズの名曲だそうです。発酵中の醪にビートルズの音楽を聞かせることにより、味わいがまろやかになるという、蔵元社長のこだわりからもきています。

造りも吟醸酒と同様の丁寧な洗米に始まり特別な仕込み方法で醸しているとのこと。スペックのほとんどが非公開であるのは、"初心者の方にとって、日本酒の入り口となるお酒"というコンセプトのため、スペック情報による先入観を持たないよう、配慮しているそうです。

純米酒の常識を超えた果実酒のような味

sake_sawanohana-beau-michel_1

味わいはやさしく、甘酸っぱいお酒。適度なキレもあるので若い白ワインという印象もあります。おそらくリンゴ酸系の味が出る酵母を使っていると予想します。フレーバーとしては、梅味の飴玉を思わせます。もしくは杏子酒っぽさも感じます。これは、果実酒やカクテル好きに好評を得られるでしょう。食前酒でも良いですが、軽食、ナッツやプロセスチーズ、フルーツと合わせても良さそうです。伴野酒造のホームページには同酒をベースとしたカクテルレシピも載っているので、日本酒カクテル作りにも活かせそうですね。もちろん、これからのクリスマスパーティー酒としても楽しめるお酒ですよ。

関連カテゴリ