東京国税局の管轄である1都3県(東京、千葉、神奈川、山梨)で製造された清酒、本格焼酎、ビール・発泡酒を対象する鑑評会「東京国税局酒類鑑評会」の審査結果が、10月30日(火)に発表されました。

本記事では、2回にわたる厳格・公正なブラインドテイスティングの結果、清酒部門の出品酒44場125点のなかから優等賞に選ばれた銘柄を紹介します。

清酒は以下の4部門に分かれて評価されます。

  • 清酒吟醸部門 (純米をのぞく)
  • 純米吟醸部門
  • 燗酒部門 (純米をのぞく)
  • 純米燗酒部門

それでは、「平成30年 東京国税局酒類鑑評会」の結果を、部門ごとに発表しましょう!

吟醸部門:11点(出品数:29点)

千葉県:6点(出品数:13点)

  • 「寿萬亀」(亀田酒造株式会社)
  • 「東魁盛」(小泉酒造合資会社)
  • 「甲子正宗」(株式会社飯沼本家)
  • 「海舟散人」(株式会社馬場本店酒造)
  • 「不動」(鍋店株式会社)
  • 「夢の又夢」(合資会社寒銘醸)

東京都:3点(出品数:6点)

  • 「澤乃井」(小澤酒造株式会社)
  • 「千代鶴」(中村八郎右衛門)
  • 「金婚正宗」(豊島屋酒造株式会社)

神奈川県:1点(出品数:6点)

  • 「盛升」(黄金井酒造株式会社)

山梨県:1点(出品数:4点)

  • 「春鶯囀」(株式会社萬屋醸造店)

純米吟醸部門:13点(出品数:33点)

千葉県:4点(出品数:12点)

  • 「東魁盛」(小泉酒造合資会社)
  • 「腰古井 純米大吟醸」(吉野酒造株式会社)
  • 「甲子正宗」(株式会社飯沼本家)
  • 「不動」(鍋店株式会社)

東京都:3点(出品数:4点)

  • 「多満自慢」(石川酒造株式会社)
  • 「嘉泉」(田村半十郎)
  • 「千代鶴」(中村八郎右衛門)

神奈川県:4点(出品数:10点)

  • 「盛升」(黄金井酒造株式会社)
  • 「白笹鼓」(有限会社金井酒造店)
  • 「隆 黒金ラベル」(合資会社川西屋酒造店)
  • 「いづみ橋」(泉橋酒造株式会社)

山梨県:2点(出品数:7点)

  • 「太冠」(太冠酒造株式会社)
  • 「七賢 大中屋」(山梨銘醸株式会社)

燗酒部門:10点(出品数:26点)

千葉県:2点(出品数:10点)

  • 「東魁盛」(小泉酒造合資会社)
  • 「甲子正宗」(株式会社飯沼本家)

東京都:1点(出品数:4点)

  • 「澤乃井」(小澤酒造株式会社)

神奈川県:4点(出品数:6点)

  • 「盛升」(黄金井酒造株式会社)
  • 「白笹鼓」(有限会社金井酒造店)
  • 「菊勇」(吉川醸造株式会社)
  • 「箱根山」(井上酒造株式会社)

山梨県:3点(出品数:6点)

  • 「太冠」(太冠酒造株式会社)
  • 「七賢 甘酸辛苦渋」(山梨銘醸株式会社)
  • 「甲斐の開運」(井出與五右衞門)

純米燗酒部門:14点(出品数:37点)

千葉県:4点(出品数:15点)

  • 「福祝」(藤平酒造合資会社)
  • 「純米 稲花正宗」(稲花酒造有限会社)
  • 「腰古井 純米」(吉野酒造株式会社)
  • 「仁勇」(鍋店株式会社)

東京都:3点(出品数:5点)

  • 「澤乃井」(小澤酒造株式会社)
  • 「多満自慢」(石川酒造株式会社)
  • 「喜正」(野崎酒造株式会社)

神奈川県:3点(出品数:10点)

  • 「菊勇」(吉川醸造株式会社)
  • 「左岸」(井上酒造株式会社)
  • 「相模灘」(久保田酒造株式会社)

山梨県:4点(出品数:7点)

  • 「太冠」(太冠酒造株式会社)
  • 「笹一」(笹一酒造株式会社)
  • 「甲斐の開運」(井出與五右衞門)
  • 「春鶯囀」(株式会社萬屋醸造店)

今年度の傾向は......?

東京国税局鑑定官室の山岡洋さんに、出品酒の傾向を伺うと「吟醸部門は、フルーティーなな吟醸香と軽快な味をもった、バランスのとれたお酒が多く出品されていました。純米部門は、純米酒らしいふくらみのあるお酒に加えて、吟醸酒のような軽快で香り高いお酒も出品されており、バラエティ豊かでした。一方、燗酒部門では、キレのあるタイプと、熟成による旨味の強いタイプが多く出品されていました」と、話してくれました。

東京国税局鑑定官室の山岡洋さん

東京国税局鑑定官室の山岡洋さん

東京国税局酒類鑑評会では今年から、"オブザーバー"として、若手の醸造技術者が審査に参加しています。今回、オブザーバーとして参加した井上酒造(神奈川県足柄上郡)の湯浅さんに話を伺うと、「他蔵の商品をテイスティングすることができて良かったです。自社ブランドの方向性はぶらすことなく、今回感じたトレンドを把握しながら今後の酒造りを行なっていきたいですね」とのことでした。

東京国税局酒類鑑評会の審査員の写真

東京国税局酒類鑑評会では、オブザーバー枠の設立や表彰式後に行われる製造技術研究会を通して、酒蔵に客観的な評価をフィードバックすることで、一都三県の酒蔵が技術・酒質を向上させることを目指しています。この取り組みをきっかけに、一都三県から注目の酒蔵が登場し、地域そのものが酒どころとして全国的に有名になる未来を期待しましょう。

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