埼玉県幸手(さって)市に蔵を構える石井酒造。天保11年(1840年)に創業した老舗でいながら、業界の常識にとらわれない取り組みで近年の注目を浴びています。

そんな石井酒造が営業職と製造職で新たなメンバーを募集しています。なぜ、このタイミングで人材を募集するのか。そして、石井酒造の目指している未来とは。その熱い想いをお伝えします。

新しい挑戦を続けてきた石井酒造

現在の代表取締役社長である石井誠さんは8代目。2013年に26歳という若さで蔵を継いで以来、次々と新たな試みを展開し周囲を驚かせてきました。

石井酒造の石井誠社長

石井酒造の石井誠社長

最初に手がけたのは、2014年の「二才の醸(かもし)」プロジェクト。「キャリアの浅い20代でも美味しい日本酒が造れることを示したい」と、プロジェクトの設立から米作り、醸造、ラベルのデザインまで、すべてを20代のメンバーのみで行いました。クラウドファンディングにも挑戦し、200万円以上もの資金調達に成功しました。

続いて開催したのが「埼玉SAKEダービー」というイベント。埼玉県内の2蔵が、酒米や精米歩合などの条件を統一して酒造りをし、その美味しさを競う企画で、2015年から2年連続で開催。大きな話題となりました。

この他、大手家電メーカーのシャープ株式会社とタッグを組んだ、マイナス2℃で楽しむ日本酒「冬単衣(ふゆひとえ)」の開発や、王道の山田錦ではなく埼玉産の酒米「さけ武蔵」を使った出品酒造りなど、新しい挑戦を続けてきました。

そんな石井酒造が新たな人材を募集する理由はどんなところにあるのでしょうか。

蔵の将来を見据えて

「石井酒造はまだまだ伸びます。ただ、今のままではどうしても人が足りない。蔵をもっと大きく育てていくために、新しい仲間を迎え入れたいんです」

採用の背景について、石井社長はそう語りました。現在は石井社長も営業や製造に携わっているため、多忙を極めています。新たにメンバーを迎えることで会社の基盤を固め、さらなる飛躍のきっかけとしたいのだそう。

石井酒造の石井誠社長

「経営についてざっくばらんに話し合えるような人、同じベクトルで議論ができる人を求めています。将来的に経営の中枢を任せられるような人と出会いたいです」

ただ、現時点でのスキルは特に問わないとのこと。

「これまでの経験は一切問いません。むしろ、日本酒業界以外の人がうれしいですね。業界の常識や慣習にとらわれず、新しいアイデアをどんどん出してほしいと思っているので」

蔵の将来を見据えた採用。責任は大きいかもしれませんが、それを楽しめる人にはとても大きなやりがいのある仕事でしょう。

「いま、本当に造りたい酒」

まずは営業職について、具体的な仕事内容を伺いました。

「基本的にはBtoBの販売活動ですが、今後はBtoCにも力を入れていきたいと考えています。だから、WEBサイトやSNSの運用など、マーケティングや広報に近い仕事も任せたいです。お客様の前に出る機会も多いので、『美味しかったよ』などのうれしい声を直接聞くことができるのは営業の醍醐味ですね」

続いて、製造職についてはどうでしょうか。

「酒造りのすべてですね。うちは製造を分業制にしていないので、米と水から日本酒がどうやって造られるのか、杜氏のもとで全工程を知ることができますよ。かなりおもしろいと思います。ただ、酒造りは決して華やかな仕事ではありません。美味しい酒のために地道に努力できることが必須条件ですね」

営業職と製造職に共通して求められるのは「変化への対応」「マルチタスク」とのこと。

「日本酒業界はどんどん変化しています。その動きはさらに激しくなっていくでしょう。これまでと同じことを繰り返しているだけでは取り残されてしまう。だから、石井酒造も日々変化していきます。変化を恐れるのではなく、楽しめる人が向いていると思います。また、大きな蔵ではないので、製造メンバーがイベントに出ることもありますし、蔵が忙しければ営業メンバーも造りを手伝います。自分の仕事以外にも目を向けて楽しんでもらえるといいですね」

加えて「うちの蔵は、"毎年同じ酒を造ること"にはこだわりません」と石井社長。

「原料や気候は毎年変わるもの。まったく同じ酒なんてありえません。同じ酒は二度と造れないんです。だから私が目指すのは、昨年よりも良い酒。世間のトレンドもチェックしていますが、むやみに合わせることはしません。最終的に造るのは『今、私たちが本当に造りたい酒』。その方針はこれからも変わりません」

石井酒造の石井誠社長

現在挑戦しているのは、アルコール度数10%の低アルコール原酒。何年も試作を続けているそうですが、なかなか納得するものができず、試行錯誤を続けているそうです。

「そういう失敗もうれしいんです。失敗があってこその成功ですから。自分たちが心から満足する商品を造って、『これでどうだ!』とニヤニヤしながら世に出す瞬間が本当に楽しい。そういう喜びを分かち合える人と出会いたいですね」

日本酒がスタンダードになる世界を

最後に、日本酒業界の展望について伺いました。

「ずっと目指しているのは、日本酒が"酒のスタンダード"になっている世界。『とりあえずビール』を変えたいんですよ」

そのために必要なのは「シーン」や「体験」をつくることだと話します。

「特に若い世代には『日本酒を飲む』という選択肢がない。日本酒を選択肢に加えてもらうためには、『どんな時に』『どんなふうに』というシーンの提案や 『日本酒を飲んで楽しかった』という体験の提供が欠かせません。酒造りだけに打ち込むのではなく、そこまで考えていきたいですね」

石井酒造の石井誠社長

日本酒と真摯に向き合い、自社のみならず、業界全体の将来を真剣に考える石井社長。応募者へのメッセージを伺うと、「今の仕事と比べて、10倍のやりがいを約束します」と熱い言葉。常識にとらわれることなく、常に新しい価値を生み出していく。そんな仕事に興味がある人は、ぜひ石井酒造の門を叩いてみてはいかがでしょうか。

◎お問い合わせ

(取材・文/藪内久美子)

sponsored by 石井酒造株式会社

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