都内からたった1時間半の日本酒トリップ!千葉県酒々井町・飯沼本家に行ってきた!【前編】」では、飯沼本家へのアクセスや、周囲施設のご紹介をしました。後編では、飯沼本家敷地内から見所をお伝えします。

飯沼本家の顔!酒々井まがり屋

ちょうどお昼時、お腹がすいたので、まずは腹ごしらえをします。
正門のすぐ側、飯沼本家の顔「酒々井まがり家」へお邪魔します。

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酒々井まがり家は、新潟県東蒲原郡にあった清野家の民家を移築再生した建物です。江戸時代・元禄に建てられた歴史深い民家でしたが、ダム建設によって水没の運命にあうところを、飯沼本家が譲り受け、移築再生したそうです。

現在は、レストラン・ギャラリー・お土産屋を展開している、まさに総合施設になっています。

百聞は一見にしかず、さっそく入ってみましょう!

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玄関をあけると、館内はとてもレトロな雰囲気。

入って右は、お土産屋。日本酒だけでなく、たくさんの種類のお土産が並んでいます。

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左は、レストラン。日本酒を使った料理をメニューの中心としており、かなり美味との噂です。

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窓際の席は、日本酒樽を再利用しており、とても小洒落た空間になっています。

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レストランのメニューはこちら。

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ご飯・パスタからデザートまで、幅広いメニューが揃っています。

実はこのメニュー、「質よく味のよい料理を提供する」という想いからフードコーディネーターにお願いして、本格的なレシピを作っているそうです。これは期待大・・・!

日本酒を使った料理を堪能!

まず注文したのは、こちら!

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なんといっても「甲子の利き酒セット1000円!

飯沼本家の日本酒3種+お酒のあて4種類のセットです。提供される日本酒は時期によって変わるので、訪れるたびに違う日本酒に出会えるかもしれません。
この日のラインナップは「甲子 純米吟醸酒」「純米大吟醸きのえね」「純米無ろ過直汲み」。どれも一升瓶で3000円前後の日本酒です。

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さわやかイケメン飯沼さんにお注ぎいただき・・・

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セット完了!美しすぎます。生きててよかった。

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早速いただきます。

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ほぉぉぉ・・・

どれもフルーティーな香りが漂い、とても飲みやすい。思わず半目になりました。お酒のあて4種も、日本酒に合いすぎます。

さらに食べ物も美味しいとのこと、飯沼さんのおすすめを注文しました。

まずはこちら、「薬味と辛みの卵とじ酒粕はっとパスタ650円!

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はっと」呼ばれる、うどんよりやや太い麺に酒粕を練り込み、卵と出汁でとじる飯沼家オリジナルパスタ。

ごま油の香ばしい香りが漂います。

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では、いざ、いただきます。初めてみる形状なので、恐る恐る食べる・・・

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・・・ん?

!!!?

おいしい!

酒粕によって全体的にコクが増している。そしてとてもあっさりしたスープ。身体全体が温まり、風邪に効きそうです。

続いて、「酒蔵のまかないカレー800円!

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蔵元のまかないだったカレーをイベントで一般のお客さんに提供したところ、大好評!そのまま、まがり屋のメニューになったそうです。酒粕をふんだんに使ったカレーで、野菜もたくさん入っています。上の白いマヨネーズのようなものは酒粕のピューレです。これは美味しそう。

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では、いただきます。

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・・・ん?

!!!?

おいしい!

酒粕によって全体的にコクが増している!(本日2回目)

酒粕によって、カレーのまろやかさがビックリするほど際立ちます。なるほど、これはまかないにしておくにはもったいない!酒粕を入れると、こんなにまろやかになるんだ・・・カレーや麺だけでなく、いろいろな料理に応用できそうです。

デザートを食べるお腹の余裕はなく、ごちそうさまです。とても美味でした!
デザートも、「日本酒カステラ」「バニラアイス 古酒添え」など、飯沼本家オリジナルメニューばかり!ぜひご賞味ください。

2階はアート空間!ギャラリーを覗き見!

お腹いっぱいになった後は、ギャラリーで、ゆったり美術観賞を。

まがり屋の2階はギャラリーになっており、地元クリエイターの作品を中心とした展示会が定期的に行われます。

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こちらが2階の様子です。この日は、陶芸家・浅井龍介氏の展示会が行われていました。

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屋根裏のような、落ち着いた雰囲気です。まがり屋ギャラリー展示会の情報は、FBページをチェックしましょう!

歴史感じる、趣深い飯沼本家の敷地内

まがり屋を堪能した後は、ついに、飯沼本家の敷地内へ入ります!やっとメインにきたぞ!

大きな門をくぐると、まず目に入ったのは・・・

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こ、こんなところに、神社が!

現在は境内が閉まっていますが、かつては蔵人はもちろん、地元の住民がお詣りに来ていたそうです。家の中に神社があるって、一体なんやねん。

神社の横には、樹齢300年のサルスベリの木が。この飯沼本家内で、どんな歴史を見てきたのでしょうか。

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その先には、かつて使用していた会議室。明治・大正ロマンの風を感じます!

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会議室の中に飾られている表彰状をみると「平成二十四年」でした。あれ、明治・大正ロマンの風とは・・・

敷地内には、歴代蔵元の暮らす江戸時代に建てられた母屋があります。特別に庭を案内してもらいました。

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大河ドラマでよくみる感じの井戸を発見。

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お庭も、重要文化財のような趣きで、空気が違います。

母屋の向かいには、旧酒蔵を利用したイベントスペースもあります。

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2階はレストランスペースになっています。

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なんだここは・・・雰囲気がありすぎるぞ・・・ドラマの撮影地のような空間です。
飯沼本家は、このイベントスペースを使って、年に何度か日本酒飲み放題のイベントを催しています。また、2階を団体外国人観光客のパーティースペースにして、地元の方を中心とした街コンならぬ「日本酒コン」を開催したそう。古い概念にとらわれず、新たな試みに挑戦するところも、飯沼本家の魅力の一つです。日本酒飲み放題イベント、絶対行かねば・・・!

飯沼本家の敷地内は、歴史深い小さな「街」のよう。建物やインテリアの細部に、歴史が伝わります。

ついにメインの酒蔵へ!

さあ、敷地内を散策した後は、メインの酒蔵をご案内してもらいます!

酒蔵の玄関をあけると、かつて酒造りに使用していた古い道具が展示されていました。
このスペースは現在改装中で、飯沼本家のことがまるっと分かる展示コーナーとしてリニューアルされるそう。今月(2016年2月)中に完成予定!楽しみですね!

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酒蔵へ入る前に、ホコリ・髪の毛が蔵内へ入るのを防止するため、ナイロン帽子を被り、白衣を着ます。

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給食当番のあの格好ですね。

また、酒蔵に入る前は、納豆・柑橘類・ヨーグルトの摂取は避けてください。なぜなら、酒造りの元となる麹菌は、これらが持つ菌にとても弱く、酒造りに悪影響を及ぼす可能性があるからです。全然知らなかった・・・酒蔵に行く時は、事前に口に入れるものに要注意です!

準備ができたらさっそく出発!まずは、麹室を見学します。
麹室では、蒸米の一粒一粒に麹菌を植え付け、繁殖させ、日本酒の元となる麹を造ります。

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麹室は、気温の少し低い蒸しサウナのような部屋。全体が木で覆われていて、よい香りがします。

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こちらの蒸米、麹菌大繁殖中です。
奥に進むと、醪(もろみ)造りの真っ最中でした。

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飯沼本家では、地下タンク内にて醪造りを行っています。写真では分かりにくいですが、このタンク内は深さ約6mで、約15トンもの醪が貯蔵されているそう。

この量で、おおよそ一升瓶8000本分の日本酒が製造されます。ものすごい量ですね・・・

さらに進むと、なにやら最新機械のようなものが!

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こちらは搾り機です。もろみをこちらの搾り機にかけて、酒と酒粕に分けます。

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濾布をかぶせた計320枚の濾過板と圧搾機の間に醪を流し込み、濾布の目を通って濾過されたお酒がこちらのタンクに流れていきます。

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フタをあけると・・・

pr_iinumahonke003_37 うわああああ!

日本酒の海だああああ!!!!!

ふたをあけた瞬間、作り立ての日本酒のフルーティーな香りが、酒蔵一帯に漂います。このタンクで、13キロリットルもの日本酒が貯蔵されるそう。すごい。まじで溺れたい。

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もろみを搾ってできた酒粕も、もちろん大活躍!お土産屋で買うことができます。

飯沼本家の酒蔵内は、およそ30分ほどで回ることができ、蔵元さんが案内してくれるので、日本酒製造の知識がなくても楽しむことができますよ。迫力満点の地下タンクは、必見です!

日本酒以外のお土産も充実!

まがり屋・敷地内散策・酒蔵をじっくり堪能した最後は、もう一度まがり屋に戻りお土産を買います。

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もちろん、飯沼本家「甲子正宗」を中心とした日本酒がたくさん並んでいますが、それ以外の商品も揃っています。

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まがり屋レストランで食べた「酒粕はっとパスタ」540円。自宅でもパスタがつくれます。

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自家製梅ジャム。梅酒をつけたあとの梅で作っているそうです。甘すぎず、チーズやワインにも合います。

キリンラーメン!なんだこれ。愛知県西三河地方で大人気のラーメンらしいです。なぜまがり屋で売っているかは謎です。

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悩んだあげく、私は飯沼本家を代表する「甲子正宗 純米吟醸」と梅ジャムを買いました。

その他のお土産も、日本酒アイスや日本酒カステラなど、日本酒を普段飲まない方にも嬉しい、豊富なラインナップでした。
飯沼本家を十分満喫した時間は、トータルおよそ3時間ほど。この後、アウトレットにいくのもよし、温泉でゆったりするのもよし、気分にあったプランを楽しむことができます。

定期的なイベント開催や、敷地内の設備を充実させていき、小旅行としてもっとたくさんの方に飯沼本家に足を運んでいただきたいです」と語る飯沼さん。
これほどまでに積極的に酒蔵ツーリズムを行う酒蔵は数少ないのではないでしょうか?飯沼さん、大満足の旅ありがとうございました!

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日本酒好きはもちろん、日本酒好きでなくとも観光スポットとして楽しめる飯沼本家。日本酒×観光の最前線として国内外から注目される理由が、訪れることでわかるはず。都会の遊びに疲れたあなた、小旅行に飯沼本家の旅はいかがでしょうか?

(取材・文/ゆりえ)

■酒々井まがり家
住所:千葉県印旛郡酒々井町馬橋106
TEL:043-496-1001
営業時間:10:00〜18:00
URL:http://www.iinumahonke.co.jp/shop/#info

※酒蔵見学は随時行っています。


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