2018年3月、岐阜県東濃地方の地酒と美濃焼を楽しむイベント「MEETS TONO」が、名古屋市の栄で開催されました。

東濃地方とは、朝の連続テレビ小説『半分、青い。』の舞台として注目されている岐阜県恵那市をはじめとする、可児市・多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市の6市を指します。この東濃地方で酒造りを行なっている10蔵の地酒に出会えるイベントこそ、今回の「MEETS TONO」です。

「MEETS TONO」東濃地方の参加酒蔵

日本を代表する陶磁器の産地「東濃」

本イベントの特徴は、東濃地方の美味しい地酒を、同地方が誇る美濃焼で楽しめること。

美濃焼のおちょこ

美濃焼は、可児市・多治見市・土岐市・瑞浪市でつくられている陶磁器の総称で、1978年には日本の伝統的工芸品として認定されました。東濃地方は日本最大の陶磁器の生産拠点で、日本の生産量の約50%を占めています。陶器祭りが開催されていることでも有名ですね。

「MEETS TONO」のタイルコイン

受付で参加費を支払い、お猪口の引き換え券と和らぎ水、パンフレット、8枚のタイルコインが入ったスターターキットを受け取ります。タイルコインはイベントのみで使える専用通貨のようなもの。タイルコイン1枚でお酒1杯、1~3枚で料理と交換することができます。

こちらのタイルも、もちろん美濃焼。カラフルでかわいらしいデザインのため、「持って帰りたい!」「部屋に飾りたい!」という声も聞かれました。

美濃焼のおちょこ

お猪口の引き換え券をスタッフに渡すと、東濃地方の窯元から集められた素敵な酒器をひとつもらうことができます。

モダンなものから干支をかたどったクラシックなものまで、さまざまな形が揃っていました。なかには、5,000円近いものもあるのだとか。選ぶのに迷ってしまいますね。

美濃焼の「MEETS TONO」特製のおちょこ

今回のイベント限定でつくられたこちらの酒器も、もちろん美濃焼です。

東濃10蔵の地酒を、地元の料理とともに

お猪口を選んだら、今度は日本酒を選びましょう。

「MEETS TONO」の参加酒蔵

参加しているのは、以下の10蔵。

各蔵から3種類が出品されているので、お酒は合計30種類。どのお酒も、タイルコイン1枚で飲むことができます。

「日本酒はたくさん飲めないよ」という参加者には、柚子やカボス、シソなどを使った日本酒リキュールや甘酒、ソフトドリンクが用意されているので安心です。

「MEETS TONO」の酒蔵ブース

各テントには、2つの酒蔵が背中合わせで同居します。燗酒を用意している蔵もありました。

「MEETS TONO」の料理

会場には、お酒に合わせた美味しいおつまみがたくさん。こだわりの料理を監修するのは、多治見市で飲食店を手がけるスーパーファンタスティックヌードルズです。

地元で有名な坂田豆腐のお揚げとクリームチーズの組み合わせ、瑞浪市のボーノポークを使用したウインナーに酒粕味噌ソース......日替わりのスイーツもありました。どの料理も、東濃地方の地酒に合うものばかりです。

美濃焼の小皿

料理が提供される器ももちろん美濃焼で、まさに東濃づくし。タイルコイン1枚と小皿を交換することもできたため、ほとんどの参加者は小皿を自宅に持ち帰っていた様子でした。

日本酒イベントにスタッフとして参加してみる

美味しい地酒と料理で盛り上がる会場を見渡してみると、各酒蔵の前掛けをしている人たちがちらほら。彼らは、本イベントの運営スタッフとボランティアスタッフです。

「MEETS TONO」のイベントステージ

「ボラスタ」と呼ばれるボランティアスタッフの仕事は、参加者に渡すスターターキットのセッティングをはじめとする事前準備に加え、テントや机などの設営準備、当日のチケット販売やテーブルの片付けなど、みんなが気持ち良く過ごせるようなサポート、そして参加酒蔵のお手伝いなどです。

「MEETS TONO」のボランティアスタッフ

ボラスタに申し込んだきっかけをうかがってみると、たくさんの参加者が集まるイベントが好きな方、出身地である東濃地方に貢献したい方......本当に人それぞれでした。作業中や休憩時間にコミュニケーションをとるので、ボラスタだけでなく、運営スタッフの方々とも打ち解けることができます。

日本酒イベントにひとりで行くのは緊張してしまう......という人は、ボランティアという形で参加してみるのもおすすめですよ。運営スタッフによる事前説明会に加えて、当日も細かく指示を出してもらえるので、どんな人でも安心です。

「MEETS TONO」の酒蔵ブース

ボラスタとして参加してみると、お手伝いをしながら酒蔵の方々の思いをうかがったり、美濃焼の酒器や小皿をきっかけに参加者との会話が盛り上がったりと、ただイベントに参加するだけでは得られない体験をすることができます。

運営の裏側を見ることで、本当にたくさんの方々が「みんなに楽しんでもらいたい」という共通のゴールに向かって取り組んでいることに、あらためて気付かされます。日本酒イベントに参加するときの見るポイントが変わりそうです。

イベント最終日には、参加酒蔵・運営スタッフ・ボランティアスタッフによる打ち上げが行なわれました。"東濃地方の日本酒"というテーマで出会った仲間たちと盛り上がります。ひとつのイベントでここまで結束力が上がるのは、地元愛のあふれる日本酒イベントならではですね。

美味しい地酒と美濃焼をきっかけに楽しい時間と仲間に出会えるイベント「MEETS TONO」。次回の開催が、今から楽しみですね。

(文/spool)

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