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奈良の歴史と文化を学ぶ! 奇跡の日本酒プロジェクト ~春日大社編~

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3月16日に「奈良市の食×観光PR事業 奇跡の日本酒プロジェクト」の一環で実施されたツアーに参加してきましたので、その模様を3回にわけてお伝えします。

ゆったりとした「奈良時間」の中で、奈良市の日本酒ゆかりの地をめぐり、歴史の中で紡がれてきた奈良の日本酒のものがたりを体験できる一日。今回のツアーコーディネーターはあおい有紀さんです。フリーアナウンサーとして活躍するかたわら、きき酒師や一級フードアナリストなどの資格を持ち、2011年には「酒サムライ」を叙任されていらっしゃる方です。あおいさんのご案内で、古都奈良の魅力をたくさん知ることができました。

ツアーの始まりは1300年の歴史をもつ春日大社から!

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最初に訪問したのは、観光地としても有名な春日大社です。近鉄奈良駅からタクシーでおよそ10分ほどのところにあります。大社内には約350の国宝と約650の重要文化財があり、平安時代の貴重な美術品も多いそうです。社の隣には奈良公園や東大寺と有名な観光地もたくさんあるので、この日も多くの観光客が訪れていました。

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工事をほぼ終えた本殿。朱色が鮮やか

まずは、春日大社の千鳥権禰宜(ごんねぎ)様から、春日大社の歴史について、そして60回目を迎える御造替(ごぞうたい)の話をお聞きしました。「造替」とは、社殿を造り替えること。神さまがお引越しされることを「遷宮」といいますが、春日大社では本殿の位置は変えずに建て替え、あるいは修復を行うため「造替」といいます。(引用元:春日大社ホームページより)

春日大社は今から約1300年前、茨城県鹿島から白い鹿に乗って神様がお越しされたことを始まりとしています。神様のこと、そしてこの奈良の歴史を様々な角度から学びます。

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左の方が権禰宜の千鳥さん。やわらかい語り口調で、ていねいに教えていただけました。左から3人目の女性の方が、ツアーコーディネーターのあおいさんです。

神社の中で酒造り?! 春日祭限定の濁り酒

春日大社の中には「酒殿(さかどの)」というお酒を造る場所があります。「神社の中で酒造り?!」と思うかもしれませんが、今では少なくなったものの、昔の大きな寺社では酒造りが行われていました。

春日大社の酒殿では、3月のお祭りに向けて、年間3石(540リットル)のお酒を醸しています。もちろん税務署にも申請しています。蔵人が常に神社にいるわけではなく、醸造自体は市内の酒造会社が請け負っています。

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こちらがその酒殿。右上の換気口からは、お米を蒸しあげているときには白い煙が出てくるとか。ここで行っているのはお米を蒸す工程のほか、造りの工程のみで、麹や酛は市内の酒造会社で造ってきたものを持ってきて仕込みます。

残念ながら酒殿の内部は非公開なのですが、覗き口からはお酒の香りがただよい、つい最近まで仕込みを行っていたことがわかります。

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酒殿の見学のあとは、春日大社の貴賓殿で昼食です。結婚式など特別なときだけでなく、10名以上であればこの素晴らしい食事「饗応御膳」がいただけます。

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先ほどの酒殿で仕込んだお酒もいただくことができました! 酸味のきいたお米の粒が残る濁り酒です。深みがあり、バナナやパッションフルーツのような香りを強く感じました。例年3月開催の春日祭のときにいただくことができます。

今回体験できたのは、春日大社という奈良を代表する場所での「歴史」そして「文化」の学びでした。1300年以上途切れない伝統と作法、心のつながりを感じられる場所。そのなかで、お酒を中心として非常に貴重な学びができたことは、普通の観光以上の価値があったと思います。ぜひ来年は3月半ばの春日祭にあわせて、春日大社を訪問してはいかがでしょうか!

このあとツアーは奈良の酒蔵「今西清兵衛商店」に向かいます。こうご期待!

(文/片桐新之介)

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片桐 新之介

2001年に大手百貨店の酒売り場担当、のちに利き酒師と焼酎利き酒師を取得。京都町家で日本酒を楽しむ会主宰。日本酒の海外へのマーケティングも行う。元魚屋でもあり、魚料理が得意