こんにちは。イラストレーターひらたともみです。SAKE TIMESでコラムを書かせていただくのも、早7回。
日本酒専門知識ゼロで、ひたすら私の呑兵衛話オンパレード!
見捨てず今回もご覧いただき、心より感謝しております。
今回は今では幻想扱いされつつあるバブル時代について少し。
私が就職したのは平成元年。面接にいけば内定をもらえるという、元気があればそれでよし!的なアントニオ猪木方式が内定をもらうコツでした。
好景気でもありましたが、それは同時に肉食系の野獣ばかりが生き残る時代でもあり、隙あらば、「俺のターン!」と立ち上がるものばかり。
バブルとはなんだったのか。
それはあえて考えずに、今号もひたすら呑んだくれていたあの頃を振り返りながら、自分勝手な目線で、バブルのように泡となって消えていったエピソードをご紹介します。
無茶だらけの宴
バブル世代。
運よくこの時代に就職できた私は、会社で酒の味を知ったといっても過言ではないほど、アフター5が毎夜のごとく宴会続き。
なんでもない平日の仕事帰り、「よっし!今日は呑みに行くぞぉ~!」と部長が掛け声をかければ、あっという間に2~30人。わーわーと。
「あれ?うちの会社にこんな奴いたっけ?」とタクシーに同乗した人の顔を確認。
勤続20年の黒手差しの経理課長が「ねー、後ろに乗ってんの、誰?」とか聞いてくる。
したらば一昨日、入社した人だった。40代の大型新人。
スマイルで入社した人。総務課に。
どうやら自分の歓迎会だと思ってきちゃったらしい。
そんな昨日今日の付き合いであっても、ひとたび盃を交わせば、人類皆兄弟。
40代の大型新人も“今夜お座敷デビューなんですぅ~”といわんばかりの気合いの入ったアイシャドウ!
オーケー!今夜はまかしとけ!花持たせてやるよ~!と私が男なら言ってやるのに、うちの会社の男どもは、見たことない大型新人(40代)の隣に誰が座るかコソコソもめてる。隅っこでジャンケンとかしてる。
見えてるってばー!
バブル時代の宴会…。
今では大問題になるであろう、セクハラ、パワハラが横行していたのも事実。会社の経費で、歓送迎会やら納涼会やらを3次会までまかなっていた時代。
当時、新入社員たるものは強制的に「一気飲み」を強いられ、「…私、一滴も飲めないんで…」などという人はいたかもしれないけど、言えるはずなどない宴が繰り広げられ、二次会の部長行きつけのスナックでは、正真正銘の無礼講をしたものです。
頭皮薄めの部長は、しょっちゅう部下らにパーカッション代わりにされてたし、若手の男たちは酔うと皆、江頭2:50と芸当が一緒。
んで、女子はというと、お偉いさんとデュエットの相手を強いられ、ついでに尻を触られたりする。
「きゃー!やめてくださいー!」とか一応は言った。だが、相手は酔っ払い。どんなお偉いさんでも今は酔っ払いなのだと、芸者か?芸者なのかー?っつーくらいに、酒の席は酒の席で、皆、寛容だったような気がする。
「社長はスケベだよねー」と、女の子同士でコソコソ言い合うこともあったが、時代が背中を押したのか、女子も皆、野獣系肉ガッツガッツ!ばかりだったので、いちいちメソメソするような子は永遠に放っておかれ、拳を挙げるような子には総力を挙げて応援していた。なんたる、恐ろしい時代じゃ!ガクブルッ!
特級・1級酒・2級酒
セクハラこそしなかったが、当時私の直属の部長がよく日本酒を呑んでいた。
うんちく好きのハゲ部長なのだが、そのころから酒豪だった私は薄明りのスナックでどんどん同僚が潰れていく中、涼しい顔でカラオケに没頭するタイプだったので、いつもハゲ部長につかまり、よくどーでもいいうんちくを聞かされた。
部長の話は大抵、「なぜこんなにハゲちゃったのか~」のうんちくから始まり、「オレは1級酒しか呑まねーから!」の自己満足で終始するうんちくをもっともらしく語っていたっけな…。
お若い方はご存じないかと思いますが、以前は日本酒がランク付けされており、おおまかに言うと「特級=優良」「1級酒=佳良」「2級酒=それ以外のもの」とされており、価格にも差がありました。
(*日本酒級別制度は平成4年(1992年 )に完全に撤廃)
でも、実は巷には旨い2級酒がたくさんあって、「1級酒しか呑まねーから!」と豪語していた部長も、家では2級酒をしこたま呑んでいるとのこと。
当時は私も若く、日本酒ピヨピヨビギナーだったため、「1級」「2級」というラベルをたよりに呑んでいました。
それにしても当時の自分を振り返ると、アイタタタタ…。赤面の数々。
最近は草食系男子とやらのジャンルがモテ系になり、飲み屋に行っても若い子たちは実に大人しい~!
私なんて、私なんて、私なんてーー!(恥)
「今の若いもんはぁ~」とか、全然言えませ~~~んわ!
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