料理はとにかく簡単が一番。居酒屋ででてくるお通しのような、あるいは頼むとさっと出てくるような小料理を作って、"食卓で居酒屋気分"というのが、今回の企画です。

紹介するのは、筆者がよく行く店で食べるお気に入りの中から2品、「キャベツ即席漬け」と「とりぽん」です。難しい手技はないので、料理は苦手という方も気軽にお試しいただけます。

昆布のうまみで「キャベツ即席漬け」

「キャベツ即席漬け」

ただ漬けるだけ。素材の香味とともに、塩味の旨みが酒に寄り添います。

【材料】
お好みで食べたい分だけどうぞ(今回は1~2人分の例)

キャベツと塩昆布

  • キャベツ......中1/8~1/6個
  • 塩......小さじ1/2(上記のキャベツに対しての量です)
  • 塩昆布......大さじ1

【作り方】

「キャベツ即席漬け」の作り方

イ. キャベツをざく切りにしてポリ袋に入れる。

ロ. 塩を入れる。塩の量はキャベツの2%を目安に。(今回用意したキャベツは170gだったので塩は3.4g。小さじ1/2位の量ですね)

「キャベツ即席漬け」は混ぜるだけなので簡単

ハ. 塩がまんべんなく行き渡るように混ぜながら、袋の外からギュッギュッと揉む。ほどなくキャベツはしんなりとなります。

ニ. 塩昆布を混ぜ、空気を抜くようにして袋をしばります。1時間ほどで食べられます。

鶏皮をポン酢で和えるだけ「とりぽん」

とりぽん

キャベツを漬けている間にもう1品。

【材料】
こちらもお好きな量をご用意ください、(画像左・今回は2~3人分の例)

とりぽんの材料

  • 鶏皮......100g
  • わかめ......乾燥大さじ1 (水で戻し食べやすく刻んでおく)
  • 小ねぎ......適量 (細かく刻んでおく)
  • 白コショウ......適量
  • ポン酢......適量

筆者宅では鶏肉を料理するとき皮を取り除きますが、煮物のダシにするほか、こういう時のために冷凍しておきます。

鶏皮についている脂肪は、包丁を使って取り除きます。(画像右)

【作り方】

とりぽんの作り方

イ. 鶏皮を茹で、水を切る。

ロ. イを細く切り軽くコショウをふる。

ハ. 鶏皮とワカメをポン酢で和える。

二. 盛りつけたら小ねぎを添える。

さりげない小料理を飲み応えある純米大吟醸で

今回の肴は、さすが居酒屋のお通しだけあって、どんな酒にも無難に寄り添うタイプの味わいですが、香の物、酢が効いているといった特徴から、晩酌には吟醸酒をチョイス。

出羽鶴 純米大吟醸 MAPLE(秋田清酒)

「出羽鶴 純米大吟醸 MAPLE」(秋田清酒/秋田県)

鮮やかなラベルですね。ちなみにJ.D.Gは純米大吟醸のことのようです。冷蔵庫から出して少し時間をおいてからグラスに注いでみました。

シャープな吟醸香ですが、ほのかに甘さも香ります。そして、香りの印象そのままに、すっきりとした飲み口。まず柔らかな酸味を感じ、次第にじわじわと甘み、旨みが舌に馴染んできます。やや甘口といったところでしょうか。キャベツの即席漬けとは良縁です。塩の旨み、特に昆布の旨みと響き合い、酒が進みます。

続いて、とりぽんをつまんでみました。鶏皮のクニクニした食感とわかめが相まって、面白い口当たりと風味。鶏皮は茹でてあるので脂っぽいということはありません。ポン酢が効いて爽やかな香味に仕上がり、後味もすっきりとしています。

これに対して出羽鶴は、鶏皮の旨みにさらりと溶け合い、すっと引いていく、そんな相性を感じさせます。余韻は長め。酒はポン酢に反応してか幾分甘めに変化し、甘酸っぱい余韻が口に残ります。例えるなら、冬の甘いみかんを食べたときのような気分。そんな後味がまた、晩酌をのほほんと楽しいものにしてくれました。

(文:KOTA/編集:SAKETIMES)

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