日本酒を飲むときに使う道具といえば「徳利(とっくり)」ですが、注ぎ口がすぼまった陶磁器製の徳利は洗いにくく、乾かし方が不十分だとカビが発生したり、いやな臭いが残ったりと、その扱い方にはコツが必要です。
この記事では、日本酒ライフがより楽しくなる徳利の洗い方や乾かし方、収納方法をご紹介します。
徳利の洗い方とお手入れ方法
徳利を洗うときに使う道具は、以下のとおりです。
<用意するもの>
- 徳利を浸け置きできる容器(洗い桶や深さのある鍋など)
- 洗浄スポンジ
- 徳利専用ブラシ or 注ぎ口専用ブラシ(フルートブラシ)
- ふきん
- キッチンペーパー
- 重曹(※汚れがひどいときに)
1.徳利をお湯につける
徳利に残ったお酒は時間が経てば経つほど、徳利の中にこびりついたまま乾燥して取れにくくなります。そのため、使い終わった徳利は、まず最初にお湯に浸してお酒をしっかりと抜きます。
吸水性の高い陶磁器製の徳利は、内側までお酒の成分が入り込みやすく、この染み込んだお酒の成分がカビや臭いの原因となります。
洗い桶にぬるま湯を張り、徳利全体を沈め、10~20分ほどお湯に浸します。
2.徳利を洗う
お酒をしっかりと抜いたら、次は洗浄です。
外側は洗浄スポンジであらえますが、深さがあり、口のすぼまった徳利はスポンジでは洗いきれません。そこで活躍するのが、柄の長い「徳利専用ブラシ」や「注ぎ口専用ブラシ(フルートブラシ)」です。
徳利専用ブラシや注ぎ口専用ブラシは、ホームセンターやネットショップ、100円ショップなどで購入することができます。
柄の長さを上手に使って、徳利の内側の側面や底面をていねいにこすって洗いましょう。しっかりと洗って乾かせば、カビは発生しません。
汚れや臭いがひどいときは、重曹(炭酸水素ナトリウム)を使います。重曹は無味無臭なので、洗剤のように臭いが残らず、お酒の香りを邪魔しません。
水洗いした徳利に小さじ1杯分の重曹を入れ、お湯を入れます。重曹の泡が落ち着いたら徳利の中のお湯を捨て、注ぎ口専用ブラシなどでていねいにこすって洗います。
3.徳利を乾かす
徳利を洗ったら、すぐに乾かしましょう。
陶磁器製の徳利は、表面が乾いてるようにみえても水分を吸っているので、すぐに食器棚にしまうのは厳禁です。生乾きのまま片付けてしまうと、カビや臭いの原因となります。特に湿気の多い季節には、より一層の注意が必要です。
徳利のなかにキッチンペーパーを詰め、タオルの上に倒れないように逆さまに置きます。ティッシュペーパーは水に濡れると破れやすく、徳利の中に紙くずが残ってしまうのでおすすめしません。
4.徳利を収納する
水気を拭きとった後、完全に乾かしてから湿気の少ない場所に保管します。このときに、注ぎ口にラップをかけておくと、ゴミやホコリが入らないので安心です。
ホコリが入るのを避けようとして徳利を逆さまにするのは、倒れやすいので止めましょう。
5.もし、徳利にカビが生えてしまったら?
徳利にカビが生えてしまった場合は、薄めた台所用漂白剤を使って浸け置き洗いをするとカビの漂白・除去ができます。つけ置きをした後は、漂白剤の成分が徳利に残らないように、しっかりとお湯に浸しましょう。
ガラス製酒器の洗い方
ガラス製の徳利や冷酒カラフェなどは割れやすいため、やわらかいスポンジと食器用洗剤を使ってていねいに洗いましょう。ぬるま湯ですすぐと、水切れがよくキレイに仕上がります。
形状によっては奥まで洗いにくい場合は、柄の長い「注ぎ口専用ブラシ(フルートブラシ)」を使ってみてください。陶磁器製の徳利に比べて割れやすいので、ていねいに洗いましょう。
長期間使わずにくもってしまった場合は、台所用の漂白剤を使って浸けおき洗いをすると、すみずみまでスッキリし、透明感が増します。ガラス製の徳利や冷酒カラフェなどは、陶磁器製の徳利のようにカビが生える心配はほとんどありません
お気に入りの徳利や酒器で日本酒をもっと味わおう
洗いにくい徳利ですが、それ使っていただく日本酒は、やはり格別。
徳利やお猪口を使って日本酒を飲むと、グラスやコップはまた違った味わいを楽しめます。扱いづらい面も確かにありますが、カビが生えないようにしっかりお手入れをすれば、末永く使うこともでき、愛着も湧いてきます。
徳利を末永く使うには、お湯につけてお酒を抜き、ていねいに洗い、しっかりと乾かすことが大切。お手入れをしたお気に入りの徳利でおいしい日本酒を楽しんでみてください。
(文/SAKETIMES編集部)