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日本舞踊「猩々」にみる、今も昔も変わらないお酒の楽しみ方

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東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂にて、能「猩々(しょうじょう)」をもととした日本舞踊を観賞してきました。公演は、東京芸術大学音楽学部邦楽科のOGで結成されたユニット「綾音」によるものです。

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中国生まれの猩々は人間味のある酒の精霊だった!

猩々とは、酒を好んだという中国の伝説上の霊獣のことです。日本では酒の精霊として認識されています。

「猩々」の物語は、酒売りを営む孝行者と出会った猩々が、ともに酒を飲み交わしながら舞をおどり、酒が尽きることなく湧き出る壺を与えたところ、その家は末長く栄えたという話です。酒を仲間と楽しみ酔いに任せて舞をおどるという、人間臭い愛着の持てるキャラクターとして親しまれていました。

日本では、地方各地の説話・昔話にさまざまな猩々が登場していますが、能の猩々が髪・衣装・面・足袋以外すべてが赤に染められていることから「猩々=赤いもの」というイメージが定着しています。

豪快に飲んで舞う!お酒の楽しみ方は昔も今も変わらない

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我はただ 酒にのみこそ 身をまかせつつ 酒は葡萄酒
養命酒 保命酒 薩摩の国の泡盛 養老酒 不老酒
千村は甘露の名薬 次第にもつれた盃 汲めや汲め汲め
泉の壺に 又立ち寄りて呑うだり 面白や

※「猩々」歌詞の一部より抜粋

日本舞踊の「猩々」には、能のような「シテ(主役)」「ワキ(相手役)」の構成はなく、立方ひとりで舞います。お酒を次々と汲み、飲み、そして舞う姿がとても力強く楽しく、美しい。昔の人はお酒を飲みながら踊ることが、日常的な楽しみだったのではないでしょうか。

現代におきかえれば、一次会で盛大に飲んだあと、二次会でカラオケやダーツに行くような感覚なのかもしれないですね。

お酒の楽しさを未来へ伝えたい

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今回、「猩々」という古典作品によって“昔の人のお酒の楽しみ方”を知ることができました。私たちは次の世代に向けて、どんな風に“今のお酒の楽しみ方”を伝えられるでしょうか。みなさんも一緒に考えてみませんか?

(文/山本清子)
(写真提供/花柳美輝風(綾音)様)

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山本 清子

IT系フリーランサーの傍ら、日本酒とチーズを軸とした飲食店とイベントコンサル業務も手がける。スタイリッシュな日本酒バルの開拓を愛しており、女性がひとり、日常的にバーで日本酒を気軽に飲める時代が来ることを信じて活動していく。きき酒師およびチーズプロフェッショナルを保持。