みなさん、突然ですが「三大酒処」と聞かれて答えることができますか?

酒処として有名な場所は全国各地にたくさんあります。今回は一般的に言われる三大酒処についてご紹介したいと思います。

ちょっと自信がないという方もすでにご存じの方も、ぜひ復習がてらご一読してみてください!

 

1. 灘

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兵庫県の灘といえば、言わずと知れた酒処として有名な地ですね。

江戸時代には、灘から江戸への物資輸送の本拠地でもありました。このように上方から江戸へと「くだる」良い酒を生産していた地域です。現代でも取るに足らないという意味で「くだらない」という言葉を使いますが、これは江戸に回らない酒、つまり「くだらない」酒に由来しているという説もあります。

酒造りに適した「灘の宮水」の発見や、六甲山系から流れ出る急流の河川を利用した水車による精米技術の発達など、他にもたくさんの利点が加わって酒処として名を馳せるようになったのです。

また、灘の宮水はミネラル分の多い硬水です。この水でお酒を造ると、新酒の味わいが辛口の荒々しい舌触りになることから「男酒」とも言われるようになりました。いまでも男酒という言葉が使われたりしていますね。

 

2. 伏見

「伏水酒蔵小路」のエントランス

京都の伏見も三大酒処として納得の地ですね。

今でも24軒の蔵元が存在している伏見ですが、酒造りの歴史は古く、日本に稲作が伝わった弥生時代に始まったとされています。そして、酒造りの伝統がさらに発展したのが安土桃山時代です。かの豊臣秀吉によって伏見城が築かれ、伏見の発展とともに酒造りも脚光を浴びるようになりました。

こちらも灘同様、水に恵まれた場所でした。今でも「日本名水百選」に選ばれるほどの名水が流れ、水に関する伝説も多く残っています。中硬水ではありすますが、灘に比べると軟水で、新酒が甘口で女性の肌のようになめらかな舌触りであることから「女酒」と呼ばれていました。この言葉も男酒との対比で、今でも使われますね。

 

3. 西条

そして、3つめの地が広島の西条です。この3つめを答えられない方が多いのではないかと思います。

西条も、水に恵まれた土地です。しかし、酒質は軟水で酒造りにはあまり向いていないとされていました。それが覆ったのが明治時代です。軟水研究で有名な三浦仙三郎氏が、研究に研究を重ねて軟水での醸造法を発明しました。他の蔵元にもそれを伝え、この地での本格的な酒造りが始まったのです。
また、精米機のメーカー「サタケ」が西条にあったことから、米を削る技術が発達し、徐々に吟醸酒造りも盛んになっていきました。

現在でもJR西条駅から半径約1kmの範囲に蔵元が8つも密集して存在しています。毎年10月に開催される「西条酒まつり」は、とても人気があるイベントです!

 

以上です!

みなさんは3つのうち、いくつわかりましたか?一般的には上にあげた、「灘」「伏見」「西条」三大酒処と言われているようです。東北や新潟なども酒処として有名ですが、三大酒処には入らないんですね。ぜひ、日本酒を飲むときの話のネタにしてみてください!

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