気合いの杜氏が醸す究極の食中酒

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明治5年(1872年)創業。気合いの杜氏、蔵元5代目・土井鉄也氏が気合いを込め醸す宝剣は近年、評価がうなぎ上りです。その名前にふさわしい、ズバッと切れる後口が特徴の「究極の食中酒」を目指しています。

軟水醸造法で躍進した広島酒

広島県のお酒の特徴は、中国山地の花崗岩の岩間から染み出す清冽で軟らかい清水を生かした「軟水醸造法」にあります。安芸津の醸造家だった三浦仙三郎氏が、明治20年代に麹をしっかり育てることで、発酵が進みにくいと言われる軟水でもしっかり発酵させ、良い酒を造ることができる、画期的な醸造法を開発しました。そこから、明治中期までは「甘くてベタベタしている」と評価されがちだった、広島酒がふくよかできめ細かい酒質に変化しました。その優しい味わいは灘の辛口が「男酒」と評されるのに対し、「広島の女酒」と言われるようになりました。

宝剣も蔵内に湧きだす軟水「宝剣銘水」で仕込まれています。甘口でふくよかな広島酒とタイプは違い、料理を引き立たせるため、しっかりと発酵させた切れの良い辛口酒を造る蔵ですが、どことなくやわらかさ、優しさも感じさせるのは、仕込み水のおかげのようです。

やさしさと潔い切れ味

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このお酒は、広島県産八反錦を55%まで磨き醸されています。八反錦の特徴でもある優しさ、フルーティーさを引き出し、広島酒らしさも感じます。しかしながら、後口の切れ味の良さで、呑んだ後は一本芯の通った凛とした味わいという印象に変わります。際立った個性はありませんが、トータルバランスが素晴らしく、完成度の高いお酒です。1杯目より2杯目と徐々に体に馴染んでくるような、呑み飽きしない辛口酒です。濃いめの料理より、お刺身など和食に合わせると両者の旨みが一層引き立つと思います。

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