「美しい美酒を醸したい」から生れた「南部美人」
もともとは醤油蔵でしたが、その技術を生かし、明治35年(1902年)創業され、東北の寒造りらしい切れ味ある味わいの美酒を醸してきました。平成13年に、前身の久慈酒造から社名を「株式会社南部美人」へ変更しました。
創業当時の銘柄は「堀の友」でしたが、戦後、昭和26年、当時の税務署長と3代目蔵元の久慈秀雄氏が、当時、精米歩合が低く雑味と甘味が多い酒が主流の中、「綺麗で美しいお酒を造りたい」という思いと、岩手県北部にある二戸は古くから南部の国と呼ばれていたことから「南部美人」と名付けられました。
海外にも人気「サザンビューティー」
南部杜氏で「現代の名工」(平成4年)にも選ばれた故・山口一杜氏は南部杜氏自醸酒鑑評会で連続50回以上金賞を獲得しています。「酒造りは何年やっても、毎年が1年生」という言葉を胸に常に真摯な酒造りを行っています。
日本酒の海外輸出の先鞭をつけた蔵でもあります。1997年にわずかな本数から輸出を始め、現在ではニューヨークやロンドンほか世界各国で人気を博し、「サザンビューティー」という名称で親しまれるようになりました。
5代目浩介氏になってからは積極的に新しい酒造りにも取り組んでいます。1998年にすべてを麹米で仕込んだ全麹純米仕込みの「ALL KOJI」、それ以降も糖類無添加のリキュールも開発し、特許を取っています。
JALの機内酒にも選ばれた最上位酒
この純米大吟醸は南部美人の中でも最高峰に位置するお酒で、山田錦を精米歩合35%まで磨いた蔵元渾身の作品で、JALのファーストクラス機内酒に採用されたこともあります。芳醇な香りと濃密な味わいがバランス良く表現された格調高いお酒です。
高精白の繊細さと純米の力強さを高い次元で味わえます。値段的に簡単には呑めないと思いますので、ハレの日に味わってほしいと思います。
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