第1回全国清酒品評会1位の老舗蔵
蔵の街であり、広島の有数の酒どころ竹原市で江戸末期の文久3年(1863年)に創業した藤井酒造。創業からの銘柄で今も蔵の中心銘柄の「龍勢」が、明治40年の第1回全国清酒品評会で1位を獲得するなど輝かしい歴史を持ちます。当時の当主であり杜氏だった、三浦仙三郎氏が「軟水醸造法」を確立し、広島酒の質の高さを全国に広めました。
昭和63年から純米酒中心の造りに切り替え、平成16年度からは全量純米酒になりました。平成6年度から蔵元次男の藤井雅夫氏が杜氏を務め、良酒を醸しています。
龍勢は「中垂れ」のみ使用
同蔵のお酒の特徴は原料米の持つ特性を生かし、しっかりとした造りから生まれる爽やかな旨みを伴った酒を目指しています。「龍勢」「宝寿」はラベルには明記されていませんが、お酒を搾った時に酒質が最も安定する、中間部の「中垂れ」のみを使用し、細部まで品質に妥協はありません。
やや細身で甘口という印象のある広島酒とは一線を画し、竹鶴とともに、質実剛健な燗上がりするお酒を醸しています。
燗上がりする純米大吟醸
この純米大吟醸は備前雄町を50%まで磨いて、伝統の生酛造りで丁寧に醸され、常温での熟成を経て世に出る超限定酒です。「クリアな口当たりの中に、複雑さと奥行きを兼ね備えた至極のお酒」(蔵元HP引用)。雄町米の味幅の広さとしっかりした酸のバランスが良く、純米大吟醸ながらお燗にしてより映えるお酒です。
合わせてほしい食事として、しゃぶしゃぶ、牡蠣の土手鍋、グラタンを推奨しています。純米大吟醸としては4合瓶で3500円以下とお手頃なので、ハレの日の祝い酒として楽しむのも一考です。
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