辛口にして辛からず
明治5年(1873年)創業。日光連山を流れる鬼怒川と那珂川の中ほどの小貝川の最上流に位置します。鬼怒川水系の伏流水を仕込み水に「辛口にして辛からず」という呑み飽きしない良酒を醸しています。全国の日本酒ファンに認知されてきたのはここ数年ですが、地元では圧倒的な人気を誇るようです。
良い酒造りには最高の酒米
酒造りには最高の米を使うことをモットーに、酒米の最高峰と言われる山田錦、それも特A地区の契約栽培米を100%使用しています。吟醸酒だけではなく、普段飲みの普通酒にも使用するほど原料米へのこだわりは徹底しています。かつ、すべてを自家製米する手間をかけています。平成25年度全国新酒鑑評会では金賞も受賞しています。
特A地区山田錦100%の生酛
もちろんこの生酛純米も60%精米の特A地区山田錦を100%使用し、南部杜氏率いる11人の蔵人の皆さんが「山卸し」からの大変な作業で出来上がります。生酛の酒母は酸とアミノ酸の量が多いことが特徴で、良質の酒母で得られた酸とアミノ酸が腰の強く、旨みの詰まった味わいを引き出します。搾ったばかりの時期は、酸の強さで荒々しさやゴツさを感じると思いますが、熟成につれて味わいに深みが出て、生酛の真価が発揮されるように思います。
しっかりとした酸と密度のある旨みが特徴で、米の旨みと生酛の酸味が混ざり合い複雑な奥深い味わいです。しかしながら生酛の重さは感じず、綺麗な酸がスーッと舌を洗い流す感覚です。冷やなら12~15小℃、燗なら40~45℃での呑むことを蔵元はおすすめしています。山田錦100%の生酛一升瓶で約3000円と、非常にリーズナブルと言えるでしょう。手に入りにくいお酒だと思いますが、呑む価値あり、です。
日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES