吟醸酒・辛口ブームの一角担う

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土佐の酔鯨と言えば、日本酒好き以外でもご存知の方も多いことでしょう。

1980年代から90年代にかけての吟醸酒ブームの中、「越後の端麗辛口」と「土佐の辛口」の2大勢力がブームを形作っていたと記憶しています。「日本酒は辛口が旨い」とは現在でもオールドファンの間では根強いですが、清酒に辛口イメージが完全に形成されたのも、同時代だと思います。

この中心の一角に司牡丹などと並んで酔鯨もいたことは間違いないでしょう。日本酒の新時代を迎えている現在でも、ぶれない高品質の食中酒を生み出しています。

切れ良し・純米造り・高精白がモットー

江戸時代から「油屋長助」の屋号で雑貨商を営んでいましたが、明治5年(1872年)に酒造りも開始します。1969年に酔鯨酒造有限会社、1972年に株式会社へと改組します。昭和60年、土居教治杜氏を招き、吟醸造りを本格化させます。

酔鯨のモットーは土佐の名物「皿鉢料理」などに合わせて真価を発揮する、切れの良い香り穏やかな食中酒です。また原料米の特徴を感じてもらえるよう、純米造りで、一仕込みには掛米、麹米ともに1品種のみ使用、そして各酒米の特徴を最大限に引き出すために、高精白(大吟醸40%以下、吟醸50%以下、純米酒60%以下)を心がけています。

仕込み水も平成20年に「平成の名水百選」に選ばれた鏡川上流の現流水を使用しています。

八反錦を4割まで精白した透明感溢れる美酒

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旭友は山田錦の純米大吟醸に次ぐ、蔵のフラッグシップです。広島県産の八反錦を精米歩合40%と贅沢に磨いたこのお酒は、八反錦らしい、細身ながらも爽やかな果実感を感じ、透明感もありながら米の旨みや奥深さを感じる銘酒です。

後味は潔くスパッと切れていき、酔鯨らしさを感じさせます。開栓仕立てはやや硬さがありますが、逆に熟成させてより進化する造りの良さを感じさせます。このお酒は冷やで、雑味が一切ない透明感を味わって欲しいと思います。

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