春もたけなわとなり、そろそろ「母の日」のプレゼントを準備したい時期となりました。母の日のプレゼントと言えば、カーネーションが定番ですが、カーネーションに添えて日本酒もいっしょに贈ってみませんか。お花やギフトのかたわらで映える華やかな日本酒をご紹介いたします。いずれも、日本酒が大好きなお母さんも、ビギナーのお母さんも「こんな日本酒があるのね」と驚きながら笑顔になってくれるお酒ばかりですよ。

Rice Magic スパークリングレッド(人気酒造/福島県二本松市)

  • 商品名:Rice Magic ナチュラルスパークリング酒(発泡日本酒)
  • 原材料名:米(国産)・米麹(国産米)
  • アルコール分:7度
  • 容量:300ml
  • 製造元:人気酒造株式会社
  • オリが沈殿しておりますので瓶をゆっくり逆さにして混ぜてから開栓してください

「Rice Magic ナチュラルスパークリング酒」は、2017年度の「ワイングラスに合う日本酒アワード」スパークリングSAKE部門において最高金賞を受賞。2014、2015、2016、2017年と4年連続受賞の栄光に輝いています。

福島県産酒造好適米「夢の香」と古代米の「朝紫」を使って醸され、やさしいお母さんのイメージにぴったりのピンク色は、古代米に含まれるアントシアニンによるものだそうです。添加物をまったく使わない、ナチュラルな日本酒です。

グラスに注ぐと炭酸がはじけ、フレッシュな香りが鼻腔をくすぐります。口に含むと、ぴちぴちとした発泡感の中にアセロラのようなシャープな酸と、パイナップルのような甘酸っぱさも伝わってきます。

一見、モダンな日本酒ではありますが、福島県二本松市に蔵を構える人気酒造は、昔ながらの手造りを貫き、吟醸酒のみを醸す酒蔵です。本品の製造過程も、興味深いものがあります。なんと、ボトルの中で、米と米麹のみで発酵させ、発酵の過程でアルコールとともに生じる炭酸ガスをボトルにの中に封じ込めたのだとか。

「手間を惜しまず、時間をかけ、酒造りでの合理化はしません」とホームページにも謳われているとおり、1本1本、子を慈しむように育ててくれたのでしょう。

加茂泉 COKUN(こくん) ロゼ 甘口(賀茂泉酒造/広島県東広島市)

  • 商品名:COKUN(こくん)
  • 原材料名:米・米麹 国産米100%
  • アルコール分:8度
  • 容量:500ml
  • 製造元:賀茂泉酒造株式会社

広島県広島市・賀茂泉酒造の「COKUN」。女性が上品に可愛らしくお酒を飲む「こくん」という擬音を名前にしたそうです。白いお米を醸してお酒がピンク色になる理由は、自ら赤くなる発色酵母に由来しているのだとか。少し照れ屋な酵母なのかもしれません。

賀茂泉酒造は純米酒ひとすじ。お酒をかさましした「三増酒」が広く流通していた昭和40年代から、米と米麹だけで醸す純米醸造を始め、「純米の賀茂泉」と全国に知られるまでになった酒蔵です。

グラスに注がれたあまやかな色が優雅です。梅を思わせる爽やかな香りと、米麹の芳ばしい香りに誘われるように口をつけると、ベリーのような甘酸っぱさにハッとします。「これが日本酒?」と驚くお母さんの表情が楽しみですね。酸の余韻が続く中に米麹の旨味も潜在し、おだやかな飲み心地なので、日本酒に慣れていない方にもおすすめです。

アルコール度数は8%と飲みやすく、食中酒としても向いていますし、スイーツと並べてデザートドリンクとしても華やかな気分を盛り上げてくれるはず。よく冷やしていただくのはもちろん、炭酸水で割るのも5月の爽やかな気候に合いますね。

発泡清酒<JANPAN じゃんぱん>(蒲酒造/岐阜県飛騨市)

  • 商品名: 発泡清酒<JANPAN じゃんぱん>
  • 原材料名:米(国産)・米麹(国産米)・炭酸ガス混入
  • 精米歩合:60%
  • アルコール分:11.0度以上12.0度未満
  • 製造元:蒲酒造場
  • 冷やしてから開けてください

凛としたネイビーブルーのボトルに、つややかなゴールド。シャンパンのようなゴージャスなルックスですが、精米歩合60%の純米酒。製造しているのは、創業1704年の岐阜県飛騨市の老舗酒蔵・蒲酒造です。

蒲酒造は、地元に愛されている「白真弓(しらまゆみ)」を醸す一方、「"まるでシャンパンのような純米酒"=ジャンパン」を造りました。純米酒に、蔵独自の技術で炭酸ガスが加えられています。

水あめを思わせる香りが心地よく、口に含むとグレープフルーツのような爽快さが口に広がります。パンチのきいた炭酸が喉を伝う快感は、炭酸好きな方にはわかっていただけるはず。

日本酒としては、比較的アルコール度数が低い11%と、飲みやすいのも特徴のひとつです。ワインやシャンパンを好むお母さんが日本酒に目覚めるきっかけになるかもしれませんし、日本酒好きなお母さんには、スタイリッシュな日本酒を驚きとともに味わっていただけるのでは。

シャンパングラスに注ぐと食前酒や乾杯酒にぴったりですね。いつも通りの食事も、この1本があれば胸が弾む、母の日の食卓になるにちがいありません。

食卓を彩るプチギフトとして

「今まで、母の日に日本酒を贈ったことがない」という方も、今年は日本酒を選んでみませんか。花束などをメインプレゼントとするかたわらで、「プチギフト」としてもぴったりですし、テーブルに乗せるだけで、食卓も彩り豊かになります。母の日に、お母さんといっしょに日本酒を飲みながら、思い出話などに花を咲かせられたら素敵ですね。
素晴らしい母の日になりますように。

(文/SAKETIMES編集部)