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現存する最古の日本酒が眠る資料館。銘酒「明鏡止水」を醸す長野・大澤酒造に密着【後編】

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長野県佐久市茂田井、旧中山道の中間に位置し、穏やかな風情が残るこの場所で「明鏡止水」を醸す大澤酒造株式会社。前編では、仕込み蔵と酒造りを紹介しました。後編では、敷地内に隣接する古い酒蔵を活用した美術館や民族資料館を紹介します。

創業330年超の歴史ある蔵に展示されているもの

元禄2年(1689年)創業の長い歴史をもつ大澤酒造は、古い仕込み蔵を美術館や民俗資料館に変え、芸術作品や歴史ある品々を展示しています。

「しなの山林美術館」は、大澤酒造にゆかりの深い大澤邦雄画伯の喜寿記念として建設されました。

元々は瓶詰め作業場だったそう。

こちらの肖像画に描かれているのが大澤邦雄氏。

邦雄氏の遺作が常設されており、見ごたえがあります。

山林の自然美を極め、山林愛護の思想を涵養(かんよう)しようという目的で設立された、日本山林美術協会の会員が描いた作品も展示されていました。「緑を守り、自然を愛す」という精神を原点にしているため、自然の豊かさや壮大さ、美しい景色などをモチーフにした作品が多くみられます。

最古の日本酒が展示された資料館

民俗資料館は、もともと酒母室。1981年10月に開設されました。

開設されたきっかけは、最古の日本酒が発見されたことだそう。

ある時、漆で封をされた古伊万里の壺に入った、創業元年に醸造されたと思われるお酒が蔵内で見つかりました。この壺が、1969年に放送されたNHKの番組で、醸造生物学の博士である坂口謹一郎氏の立会いで開栓され、現存する最古の日本酒と認定されたのです。

そこで、壺をお披露目するとともに、大澤酒造に眠っていた数々の貴重な資料が展示されるようになりました。

美しい古伊万里の器たちにうっとり。

ノスタルジックな気分にもさせてくれますね。

資料館や美術館のほかに、精米工場を改装した書道館も。

「明鏡止水」のラベルも手がけている書道家・吉野大巨氏の作品が常設展示されています。

大澤酒造の蔵見学は一般には行われていませんが、資料館や美術館、書道館は観覧可能です。宿場の風景、美しい山々、歴史ある大澤酒造の雰囲気を堪能しに訪れてみてはいかがでしょうか。

(取材・文/まゆみ)

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まゆみ

酒匠、料理研究家。1日も欠かすことなく酒を呑み続ける、驚胃の持ち主。郷土料理を大事にし、添加物の無い食卓を心がけている。ブログ「スバラ式生活」は人気。著書に、うち飲みレシピ、スバラ式弁当がある。

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