「精米」は日本酒造りの一番初めに行われる工程です。

原料のお米からどんな味を引き出すかは、この工程をどのように行うかでかなり変わってくるため、非常に重要です。また、日本酒を飲んでいると「精米歩合」という用語を耳にすることがあると思いますが、この言葉は間違って理解をされることが多いようです。そこで、精米歩合について解説し、精米の目的や精米による味わいの違いについて紹介します。

精米歩合と精白歩合の違いとは

精米歩合とは、お米を磨く(=精米する)割合を表す言葉です。例えば「精米歩合40%」とラベルにある場合、玄米の内側40%を残し、外側60%を削り落としたということです。

一方で、「精米歩合」とよく似た「精白歩合」「精白率」という言葉もあります。
「精白歩合40%」「精白率40%」とある場合は、40%を削り落としているという意味になります。つまり、精米歩合40%のお酒は精白歩合でいうと60%ということになります。

精米歩合40%=残ったお米が40%
精白率40%=削って糠(ぬか)にした分が40%

なんだか混乱してしまいますね。

精米でお酒の名前が変わる?

精米をどれだけしているかで、お酒の名前が変わることがあります。いわゆる「特定名称」といわれるものです。
精米歩合60%以下のお米で造ると「吟醸」、50%以下になるまで磨けば「大吟醸」を名乗ることができます。その上「アルコール添加」をせず、米と米麹のみで造ると「純米吟醸」「純米大吟醸」になります。

よくラベルで見る「大吟醸」などの言葉は精米歩合が関係していたんですね。

精米歩合で変化する味と香り

一般的に精米すればするほど香りが高くなり、雑味のない綺麗な味わいのお酒になると言われています。

「大吟醸」と名前についているお酒が香り高く綺麗な味わいものが多いのは、お米をよく精米しているからなんですね。お米の大部分を削り落とす大吟醸クラスのお酒は価格も高くなりがちです。しかし、たくさん磨いたお酒がよいお酒で、あまり磨いていないお酒がよくないとは言い切れません。

あまり磨いていない(=精米歩合の値が大きい)お米は、米の旨みがしっかりした味わいのお酒に仕上がります。精米歩合の高い低いは、品質の高い低いではなく、あくまで味わいのタイプの違いということです。

華やかな香りを楽しみたいときは精米歩合の値が小さい大吟醸を、味のしっかりした料理と合わせても負けない力強い日本酒を飲みたいときは、精米歩合の値が大きい純米酒を選ぶのがおすすめです。

精米について、おわかりいただけたでしょうか。
上級編では、なぜ精米によって味や香りが変わるのかについて、詳しく説明します。

(文/NAOYA)

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