日本酒の香りの表現で「老香(ひねか)」という言葉があります。
この「老香」とはどのような香りなのでしょうか?
今回はこの「老香」についてご説明します!
1. 老香(ひねか)とは?
老香とは、日本酒の劣化臭のことを言います。貯蔵中や瓶詰め後のお酒に出てくる香りです。高温で保存することによって顕著に現われます。この老香が発生する原因はお酒に含まれる酵素が影響しています。
酒屋などで冷蔵保存されず、高温な場所に長期間さらされた日本酒は老香を発する(=老ねている)ものがあります。ですので、日本酒を買うときは、なるべく冷蔵設備の整ったお店で買うことをおすすめします。(冷蔵保存されていないすべてのお酒が老ねている、というわけではありません。)
2. 老香はどのような香りか?
老香は、熟成が変に進み過ぎてしまったような香りです。具体例としてコレというものをあげるのは難しいですが、強いてあげるならば「紹興酒」に近い香りです。つまり、日本酒でも古酒などに感じられる「熟成香」に近い香りと言えます。老香には紹興酒や熟成香のような官能的な奥深い香りがありません。
しかし、老香と熟成香には明確な境界線がないのも事実です。心地良くないと判断されれば「老香」、心地良いと判断されれば「熟成香」になります。
3. 香りの心地よさとは?
香りの心地良さとは、もともと表裏一体なのかもしれません。
例えば、高級な香水の中にはジャスミンの香りが使われているものがあります。ジャスミンはふくよかで官能的な香りです。
実はこの香り、尿の香りに含まれる成分に似ているんだそうです。
このように香りが心地良くないと感じたり心地良いと感じたりするのはとても曖昧です。
これは日本酒の老香・熟成香にも言え、難しい基準なのです。
関連記事