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酒米農家さんに聞いた!酒米ビジネスの現状

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こんにちは、SAKETIMES編集部、最年少酒匠の山口奈緒子です。

みなさんもご存知の通り、日本酒は「お米」からできています。日本酒を造るには私たちが普段食べているようなご飯用のお米とはちがって、日本酒専用の「酒米」などと言われるお米が使われています。
今回は、その酒米を作る農家さんにインタビューを交えながら酒米ビジネスの現状について紹介します!

 

1. 酒米”山田錦”が足りない?

農林水産省のホームページによると、日本のお米の総生産量(2012年)は8,523,000トンで、日本酒を造られるために使われたお米の総数は238,000トンですので、全体から見ると3%弱になります。

しかしながら、酒米の王様である「山田錦」が足りていないのです。

この「山田錦」については以前のSAKETIMESの記事でもご紹介しました。
【わかりやすいSAKEニュース】農業ICT導入!?酒米の王様「山田錦」の安定生産に向けた旭酒造の挑戦とは

日本酒は、国内外の一部でブームが起きていると言えます。特に海外輸出の伸びは好調で、2003年が39億円、2013年が105億円と、約2.7倍にも増えており、今後も輸出量が増えていくと期待されています。しかし、需要が増える一方で山田錦の生産が追いついていないのです。

このような現状の中で今年から酒米づくりを始めた福島県南会津郡只見町の菅家(かんけ)さんという米農家さんがいます。しかも酒米は酒米でも今足りないと言われている「山田錦」ではなく、「五百万石(ごひゃくまんごく)」を作っています。今回は、菅家さんに、なぜ今年から酒米を作ることを決めたのか、また、なぜ五百万石なのか、など酒米ビジネスの現状について聞いてみました。

 

2.酒米農家さんに聞いた「酒米ビジネス」の現状とは

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◎なぜ五百万石(ごひゃくまんごく)を今年から作ることにしたか。

「山形酒造組合から会津産の五百万石が欲しいとの連絡があった」と菅家さんはおっしゃっていました。
酒米は基本的にお酒造りにしか用いられないお米です。酒米を栽培する際は必ず「契約栽培」を結んで、もう買い手が決まった状態からスタートします。

1.であげたように今、山田錦が足りないという現状をお伝えしましたが、だからといって買い手がいない状態で山田錦を作っても意味が無いのですね。

また、菅家さんは「山田錦は”西”のお米だから、福島では質の良い山田錦を造るのは難しい」ともおっしゃっていました。たしかに、お米も農産物ですから、野菜などと一緒で各地域育てやすい品種があります。山田錦の主な生産地は兵庫県です。福島県よりもずっと西で栽培されているお米なのですね。農産物である以上、その地域にあった品種を作ることが絶対条件なのです

つまり、酒米を作るにはあらかじめ買い手が決まっていること、そしてつくる酒米の品種がその土地に適合していることを満たさなければ作ることができないということです。

 

◎今後、酒米の需要がどうなってほしいか

今後の酒米の需要について菅家さんにお聞きしたところ、「(国内にとどまらず)どんどん輸出量を増やして欲してほしい、そして酒米の需要が増えて欲しい」とおっしゃっていました。

私たちが普段主食として食べているような主食用米は、食べられる量が大きく増えることは考えられにくいでしょう。それに比べ日本酒は嗜好品ですから、嗜好品に使われる酒米は、主食用米に比べ需要が伸びやすいということはみなさんもご想像がつくことかと思います。

今後、ますます日本酒の生産量が増大し、それに伴って「酒米の生産量も増やすことで、農業全体が盛り上がる可能性がある。」ともおっしゃっており、酒米ビジネスにこれからの農業の希望を感じているようでした。

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3. まとめ

最近求められている日本酒の傾向としては、以前にも増してさらに味の「質」が求められるようになったことが言えると思います。たくさんお米を削って作られるお酒が増えたことや、お米だけを使って造る純米酒が増えたこと、さらには飲み手がどのようなお米を使って日本酒が造られているか注目するようになりました。このような傾向は今後も続くと思いますし、さらに酒米の需要が高くなるはずであると考えています。

飲み手である私たちはお酒の造り手(どのような造り方をしているのか、どのようなお米を使っているのか)だけではなく、お米の造り手(そのお米がどのように造られたか)にももっと目を向けるべきだと思いました。

 

以上です!

少しでも興味を持ったという方はシェアお願いします♪

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