2024年6月19日、日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」は、創業10周年を迎えました。
創業10周年という節目を無事に迎えることができたのは、SAKETIMESの記事を読んでくださっている読者の方々や、SAKETIMESの活動を支援してくださっている関係者の方々のおかげです。いつも本当にありがとうございます。
この10年間、日本酒の魅力を伝えるために、さまざまな日本酒の情報を発信してきました。
SAKETIMESが「日本酒の情報流通に革新を起こす」をミッションに掲げて創業した2014年、日本酒業界には「伝え手」という役割が不足していました。
酒蔵の酒造技術が年々向上し、おいしい日本酒がどんどん増えている。日本酒のイベントが開催されたり、日本酒専門の飲食店がオープンしたりと、おいしい日本酒を体験できる場所もどんどん増えている。
ただ、日本酒の魅力を実際に体験する前の「知る」という機会がまだ少ないゆえに、日本酒のファンが増えていない。そんな状況を何とかしたいと、日本酒メディア「SAKETIMES」が誕生しました。
それから10年が経過し、主にSNSの普及を中心に、現在はメディアだけでなく、企業や個人が簡単に情報発信をすることができるようになりました。SAKETIMESが創業した当時と比較すれば、日本酒の情報流通量は確実に増えています。
しかしその一方で、国内の日本酒の消費量は減り続けています。「1973年をピークに国内の消費量が減少している」という前置きは、この10年間、日本酒に関するさまざまな場面で見聞きすることの多かった言葉です。
日本の人口が減少していく中で、さらに酒類に対する規制が世界的に強まっていく中で、量ではなく質の提案を前提に、新しい市場を開拓していく必要があります。
海外の市場に目を向けてみると、この10年間で輸出数量や金額は大きく増加し、海外現地の醸造所も増加しました。ただ、市場の規模としてはまだ数百億円程度。日本酒のポテンシャルを考えれば、その魅力が充分に広がっているとはいえません。
SAKETIMESにおいても、「日本酒の基礎知識や楽しみ方など、商品の周辺にある情報もいっしょに輸出されなければ意味がない」という考えのもと、2017年に英語版「SAKETIMES International」を、2021年に中国語版「清酒指南」をリリースしました。
現在はどちらも更新を停止していますが、インフォグラフィックスの無料提供など、現地の日本酒リテラシーを高める取り組みを検討していきたいと考えています。
この10年間、日本酒メディアとしてさまざまな関係者を取材する中で、新しい市場に挑戦しようとするプレイヤーにたくさん出会いました。日本酒の未来に大きな希望を持っている彼らは、日本酒がいかにおいしいもので、いかに楽しいもので、いかに可能性を秘めているかを熱く語ります。
日本酒の未来をつくるためには、日本酒をよく飲んでいる人だけでなく、日本酒を飲み慣れていない人や日本酒を飲んだことがない人にも、その魅力を伝えていくことが必要です。
創業10周年を機に、日本酒メディアとしての情報発信の在り方を見直した時、この潜在的な日本酒ファンに向けた情報発信により注力していきたいと、改めて考えるようになりました。
SAKETIMESとして配信する記事のポートフォリオを見直し、より適切な情報発信に努めるとともに、記事以外も含めたさまざまな形で日本酒の魅力を伝えていきます。
その一環として、創業10周年を記念したオリジナル日本酒を、6/21(金)より、応援購入サービス「Makuake」にて販売することが決定しました。後日、SAKETIMESのニュースリリースなどで改めてお知らせしますので、楽しみにお待ちください。
SAKETIMESがこの10年間で配信した記事の本数は、6,700本を超えました。しかし、これほどの記事を掲載してきたにもかかわらず、日本酒の魅力はまだまだ伝えきれていません。
日本酒の魅力をより広く伝えられるように、SAKETIMESはこれからも尽力していきます。SAKETIMESの次の10年間にも、ぜひご期待ください。
(文:SAKETIMES編集長 小池潤)