千葉県の酒々井町で300年以上にわたって酒造りを続けている、飯沼本家。海外旅行客向けの「酒蔵ツーリズム」や、現役蔵人の指導のもと、消費者がみずからの手で日本酒を造ることができる「MAKE SAKE PROJECT」など、独自性の高い企画を次々と実現してきました。

そんな飯沼本家が、昨年から取り組んでいる新たな試み。それが「酒々井の夜明け」です。上槽から瓶詰め・そして出荷までを24時間以内に遂行するこの企画は、クラウドファンディングで20代から40代の若い層を中心に1,ooo万円以上を調達し、業界内外を問わず大きな話題になりました。

秋から始まる日本酒造りの幕開けを告げる一本。まさに「日本酒ヌーボー」の季節が今年もまたやってきたのです。

今年最初の純米大吟醸を「日本酒ヌーボー」として味わう

搾りたての生酒をその日のうちにお届けするという「酒々井の夜明け」。ワインにおけるボジョレー・ヌーボーのように、日本酒の初搾りを「日本酒ヌーボー」として楽しんでほしいという思いで昨年からスタートしました。

今年の「酒々井の夜明け」は、10月1日から予約の受付が始まっています。1年に1回、さらに"その日にしか飲めない"というプレミアムなお酒を求めて、すでに多くの申し込みがあるのだそう。

スペックは昨年と同じ、千葉県産のふさこがねを使用した精米歩合50%の純米大吟醸酒。完全予約制の限定10,000本がその日のうちに消費者のもとへ届けられます。しぼりたてのみずみずしさと、その日限りの贅沢な味わいを感じることができそうですね。

今回掲げたコンセプトは「祝う」「味わう」「響き合う」の3つ。

「祝う」は、"作物が無事に収穫できたことを感謝し、その恵みを五感で味わうこと"を意味しています。その思いを体現するかのように、使用する酒米については地元・千葉県産にこだわりました。6次産業化を推し進める飯沼本家らしい取り組みですね。

「味わう」は、"しぼりたての美味しさをひとりでも多くの人に知ってもらうこと"。そのシーズンの一番最初に造る純米大吟醸酒。そのしぼりたてを飲めるなんて、これほど贅沢なことがあるでしょうか。

「響き合う」は、"一年に一回の贅沢をみんなで分かち合うこと"です。昨年、クラウドファンディングを通して支援してくれた人のなかには、お酒を受け取った日に仲間を集めてパーティーを開いた方もいたのだとか。ひとりでゆっくりと味わうのも良いですが、気の置けない友人たちと贅沢を共有するのも、かけがえのないひとときでしょう。

「日本酒ヌーボー」を通して、ネガティブなイメージを払拭したい

飯沼本家で取締役を務める飯沼一喜さんは、「オヤジくさい」「酔っ払う」などの日本酒に対するネガティブなイメージが先行してしまい、なかなかファンが増えない現状を嘆いています。

日本酒を飲んでもらうための壁になるのは、「日本酒は難しくてわからない」という感覚。そこで、どんな人たちがどんな思いで、どうやって造っているのかを伝えようと、「酒々井の夜明け」という新しい日本酒の楽しみ方を提案したのだそう。

消費者と酒蔵をつなぎ、人々が楽しむ場を提供してくれる「酒々井の夜明け」。予約受付は10月31日まで。お酒は11月10日に現地で受け渡される予定です。

(文/SAKETIMES編集部)

◎「酒々井の夜明け」

  • 使用米:千葉県産ふさこがね(精米歩合50%)
  • アルコール度数:16度
  • 日本酒度:+2~4
  • 酸度:1.7~1.9
  • 希望小売価格:2本(720ml) 5,000円、6本 12,000円、12本 20,000円(税込・送料込)

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◎問い合わせ

  • 株式会社飯沼本家 (〒285-0914 千葉県印旛郡酒々井町馬橋106)
  • TEL:043-496-1001
  • FAX:043-496-5718
  • Email:magariya@iinumahonke.co.jp

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