日常の食卓に寄り添う、神戸・灘の日本酒「沢の鶴」。なかでも人気の「米だけの酒」は、しっかりとした米の旨味があり、飲み飽きしない味わいの純米酒です。

沢の鶴「米だけの酒」

スーパーなどで手に入りやすく、かつ容器が紙パックでガラス瓶に比べて軽量。価格もリーズナブルな「米だけの酒」を使って、人気の酒場ライター・パリッコさんに、家飲みをさらに充実させるためのおいしい鍋料理を作ってもらいました。

「水の代わりに『米だけの酒』を使う」というひと手間で、いつもの鍋料理はどう変わるのでしょうか。

※ 本記事にて紹介している料理はアルコールを含んでいるため、20歳未満の方や妊娠中の方、車を運転する方などはお控えください。

酒場ライターが 「米だけの酒」×鍋料理を研究

パリッコさんは、お酒や酒場に関する記事を執筆している酒場ライター。著書・共著も多数刊行され、近著に『ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある』(スタンド・ブックス)や『つつまし酒 あのころ、父と食べた「銀将」のラーメン』(光文社)などがあります。

大衆居酒屋を愛するかたわら、晩酌に合うおつまみレシピも多数考案。家飲みを楽しむアイデアの探求も怠りません。

酒場ライターのパリッコさん

酒場ライターのパリッコさん

「『米だけの酒』には飲みやすさと旨味があって、食事に合う。いろんな種類の日本酒がありますが、毎日飲みたいと思うのはこういうお酒ですよね。普段、料理をする時も、食塩などが添加されている料理酒ではなく、純米酒を選んで使っています」(パリッコさん)

今回、パリッコさんに挑んでもらった研究テーマは「『米だけの酒』を使った鍋料理」。ふつう、鍋料理は水を使って出汁をとったり、食材を煮込んだりしますが、水の代わりに「米だけの酒」をたっぷり使って作ってみようという試みです。

このテーマに決まったのは、酒場好きのパリッコさんが出会ったとあるメニューがヒントになっています。

「以前、居酒屋で食べた『鶏の酒蒸し』というメニューがとてもおいしくて、お店の女将さんに『ブランド鶏を使っているんですか?』と聞いたら、『そこのスーパーで買ってきたやつよ』と返されてびっくり。

その味に感動して、自分でもいろんな食材を酒蒸しにしてみたら、肉でも魚でも大抵おいしくなったんです。いつか、鍋料理も水ではなくお酒でやってみたいと思っていたので、今回の企画は良い機会だと思いました」

スーパーで気軽に手に入る食材を使って、7日間7品の鍋料理を研究してもらいました。多彩な鍋料理の中から、パリッコさんが「これはまた作りたい!」と思った絶品鍋とは、何だったのでしょうか。

1品目:魚はふっくら、日本酒効果が絶大の「チゲ鍋」

「チゲ鍋」

1品目は、ピリ辛な風味が特徴のチゲ鍋です。「スーパーに行ったらちょうどチゲ鍋用の具材セットが割引になっていたので」と、パリッコさん。規定量の水の代わりに「米だけの酒」をたっぷり使い、付属のタレとキムチを追加して仕上げました。

「お酒を使ったことで、魚(タラとアカウオ)がとてもおいしくなりました。くさみもなく、身もふっくら。ただ、水の代わりに全量を日本酒で調理する場合、強火で煮立たせてアルコールを飛ばしたほうがより美味しくなりそうです」

2品目:豚肉のおいしさがグレードアップした「しゃぶしゃぶ」

2品目は鍋の定番・しゃぶしゃぶ。「米だけの酒」に昆布を1枚入れて煮立たせた出汁に、薄切りの豚肉をしゃぶしゃぶしていただきます。

「湯豆腐兼しゃぶしゃぶという感じで作ってみました。これがびっくりするほどおいしかったです!スーパーで買った安い豚肉が、高級なブランド豚に感じるくらい、おいしくなりました。

日本酒自体の旨味もありますし、お酒で煮ることで肉のくさみがとれたり、身をやわらかくしたりするような効果が出ているんだと思いますね。家で作っているのに、高級なお店でこだわって作ったしゃぶしゃぶを食べているような贅沢感がありました」

「〆は卵を落としてご飯を入れて、雑炊に。愛用の牡蠣醤油をたらして食べると、これがまた夢のようにおいしくて……。お酒の旨味や、ふわっとした香りの名残だと思うのですが、『ただものではない』と思わせるおいしさでした。絶対にまた作って食べたいです」

3品目:飲食店で出されてもおかしくないクオリティーの「豚汁」

「豚汁」

3品目は、寒い日に食べたくなる豚汁。豚肉に、大根、にんじん、玉ねぎ、豆腐、しめじ、じゃがいもなど、具材はスーパーで手に入るものばかりです。「米だけの酒」を使うことで、いつもの豚汁とはひと味違うおいしさになったのだそう。

「水の代わりにお酒のみを使い、味噌を溶いただけ。味噌もスーパーで普通に買えるもので、特別なものは入れていません。それなのに、めちゃくちゃおいしい豚汁になりました!

普通の味噌汁よりも味噌独特のくさみがなく、お酒の風味が加わって、ちょっと粕汁っぽいニュアンスも出るんです。『酒豚汁』として居酒屋のメニューに入れてほしいぐらい、おすすめです」

4品目:玄人向けの味わい「粕汁」

3品目の豚汁と同じ具材を使い、4品目は粕汁を調理。豚肉の代わりに鮭を入れ、「米だけの酒」に味噌と酒粕を溶かしました。こちらも寒い季節に体が温まる鍋です。

「『米だけの酒』と酒粕が入っているので、濃厚な味わいになりました。やはりお酒を使ったことで、鮭の身はふっくら。でも、豚汁よりもお酒の風味が強くなるので、玄人向けかもしれません。粕汁の場合、お酒を入れるにしても少しだけで大丈夫だと思います。全体的にバランスが良いのは豚汁のほうですね」

5品目:お通しで出てきたら、うなってしまうおいしさの「シチュー」

「シチュー」

5品目に、洋食メニューのホワイトシチューが登場。「米だけの酒」と牛乳を4:1くらいの割合で鍋に入れて温め、市販のルウを入れてコトコト煮込んだ一品です。意外な和洋折衷コラボ、その味はいかがでしょうか。

「『えぐみが出るかもしれないけれど、ダメもとで』と思って作ってみましたが、とてもおいしかったです!ルウの味が強くて、牛乳も入っているのが良かったのかも。シチューはじっくり煮込む料理だから、それでアルコールがうまく飛んだのかもしれませんね。鶏肉を入れましたが、こちらも抜群でした。ふわっと日本酒が香る、大人っぽさが漂うシチューです。

居酒屋に入って、お通しで小鉢に入ったこのシチューが出てきたら『この店、やるなぁ』って思いますね(笑)。おいしいだけじゃなくて、ちょっと普通のシチューじゃないよねってピンとくる味だと思います。

これも『純米酒シチュー』みたいな名前をつけてお店で出したら、人気が出るんじゃないかな。お酒と牛乳の割合を調整すれば、さらに自分好みの味になりそうですね」

6品目:再チャレンジの価値あり「もつ鍋」

6品目は、もつ鍋。スーパーでアルミ鍋入りのもつ鍋セットを購入し、水の代わりに「米だけの酒」を使って仕上げました。

「チゲ鍋と同じく、日本酒をよく煮立たせることで、もつがとてもやわらかくなりました。全量を日本酒にするのではなく、お酒と水を1:1で入れるとちょうど良いかもしれません」

7品目:大根は大当たり!具によって違いが出た「おでん」

「おでん」

最後となる7品目は、冬の風物詩・おでん。スーパーで買ったおでん種を「米だけの酒」でグツグツと煮込んだところ、さまざまな具材があるおでんならではの特徴が感じられたといいます。

「おでんは、不思議な出来になりましたね。こんにゃくにはお酒の香りがあまり染み込まなかった一方で、ちくわはお酒を吸って、少し香りがつきすぎてしまった。具によって味わいが違いました。

その中でも、大根はすごくおいしくなりました。シチューと同じで、食べると『これ、なにかアレンジしているな?』と感じるおいしさ。お酒の香りがほんのりついているからでしょうね。

出汁とお酒だけで大根を煮た『大根の酒煮』もおいしいかもしれません。これも居酒屋のお通しで出てきたら大当たりなメニューだと思います」

「米だけの酒」を使った鍋のベスト3の発表!

7種類の鍋料理を試してもらった結果、パリッコさんの中でベスト3が決定しました。

第1位「しゃぶしゃぶ」
「お酒が苦手でなければぜひ試してみてほしい。贅沢な晩酌になります。〆の雑炊も絶品!」

第2位「豚汁」
「普通の豚汁に粕汁のニュアンスを感じる、新しいおいしさが印象に残りました。米と味噌の相性が良いのかも」

第3位「シチュー」
「ちょっと玄人向けの味かもしれないけど、好きな人にとっては大好きな味です」

研究を進めるなかで、すっきりとしたスープのチゲ鍋やもつ鍋などは、日本酒をよく煮立たせないとお酒の香りが立ちすぎてしまう傾向があると気づいたパリッコさん。「しゃぶしゃぶはポン酢をつけて食べるので味が締まり、おいしい仕上がりになったのかもしれません」と分析します。

もしお酒の香りが立ちすぎていると感じたら、水を加えたり、出汁に味噌を加えたり、煮込み時間を長くしてアルコールを飛ばしたりすることで解消できそうです。

沢の鶴「米だけの酒」

それぞれの鍋に合わせて飲んでいたお酒も、もちろん沢の鶴の「米だけの酒」。

料理に使ったお酒と同じお酒なので、相性の良さは言わずもがな。パリッコさんは常温やソーダ割りで楽しんでいたそうで、「スルスルと無意識に飲めちゃうぐらい、なじんでいました」と、7日間の研究を振り返りました。

「米だけの酒」で作る鍋、可能性は無限大

今回の研究のために一人用の小鍋を購入したというパリッコさん。「楽しかったので、今後も個人的に鍋料理の研究を続けようと思っています」と、とても気に入った様子。新たな家飲みの楽しみ方が、またひとつ増えたようです。

「今後やってみたいのは、牡蠣の土手鍋。魚介や味噌と合うので、絶対においしいと思います。あとはカレーが好きなので、カレーも作ってみたいですね。『米だけの酒』で作る料理は、可能性が無限大で楽しいです。

日本酒でもワインでも、紙パックのお酒って『お酒は瓶じゃないと』と思っている人はあまり購入する機会はないかもしれません。でも、飲んでみればおいしいし、軽いし、紙パックはリサイクルできるし、家飲みが増えているこのご時世に合っているんじゃないかと思いますね。

リーズナブルな価格も、家飲みには大歓迎!先入観を捨てて、紙パックの日本酒も買ってみてほしいと思います」

沢の鶴「米だけの酒」

さまざまな食材やスープと「米だけの酒」の相性を知ることができた今回の研究。まだまだ寒い今の季節、沢の鶴「米だけの酒」をたっぷり使って、晩酌にぴったりな鍋料理づくりを楽しんでみましょう。

(取材・文:芳賀直美/編集:SAKETIMES)

本記事にて紹介している料理はアルコールを含んでいるため、20歳未満の方や妊娠中の方、車を運転する方などはお控えください。

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