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文化と食と日本酒のイベント!都内名店との極上コラボを楽しむ―大江戸日本酒まつりイベントレポート

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こんにちは!SAKETIMESライターの梅山紗季です。先日イベント情報をSAKETIMESでもお伝えした「大江戸日本酒まつり」。今回はその会場に実際お邪魔して感じた魅力を、たっぷりお届けしたいと思います。「このイベント行けなかったけど、気になってた!」という方も、「たっぷり楽しんだ!」という方も、ぜひ会場を再度訪れた気持ちで、読んでいただければ嬉しいです!

尾瀬あきら先生×太田和彦先生監修パンフレットを手に、日本酒と料理のコラボを堪能!

会場は、神田駅南口から少し歩いた先にある、金物通り。当日券を販売している受付をはじめ、屋台によってはSuicaやWAONなどの電子マネーでの支払いも可能です、というアナウンスがあり、混雑を減らしてくださる主催者側の心遣いが感じられ、あたたかい気持ちで受付を済ませます。
受付で白いトレーとイベント専用のカップ、ガイドブックを渡していただき、会場に入ります。各屋台のお店と蔵元さんの一覧は、画像のようになっています。

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画像左側、漫画家・尾瀬あきら先生とグラフィックデザイナー・太田和彦先生が監修を務められたガイドブックの表紙が印象的です。このガイドブックを片手に会場を回るだけでテンションが上がります。どこの屋台も活気に溢れていて、歩いているだけで、お客さん・お店の方皆さんが笑顔になっている姿をよく見受けました。
今回はそんな中でも、印象的だった店舗のお酒×料理のコラボをご紹介します!

隠口(札幌) ・蟹、鮭、帆立の豆乳コロッケ×北の錦(北海道)

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初めにお邪魔したのは、北海道・小林酒造の「北の錦」と、同じく北海道札幌市にある和食屋「隠口(こもりく)」の屋台です。今回唯一の東京都外からの飲食店の参戦であり、同道の方とのコラボであるこの屋台では、「北の錦 純米大吟醸」(500円)を、「蟹・鮭・帆立の豆乳クリームコロッケ」(600円)と一緒にいただくことができました。

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全量、北海道産米で醸造をしている「北の錦」は、北海道夕張郡に蔵を構えています。今回いただいた「北の錦 純米大吟醸」は、色に少し黄味がかっていて、香りは華やかです。口に運ぶと、お米の甘さがわずかに感じられるものの、後味にキレがあり、すっきりと飲むことができます。スマートな味わいで飲みやすい印象でした。
コラボした「隠口」で作られた「蟹・鮭・帆立の豆乳クリームコロッケ」は、蟹・鮭・帆立がそれぞれたっぷりとコロッケの中に使われていて、ホワイトソースの甘さの中に、素材の味が活きていました。コロッケの味がしっかりとしているため、「北の錦」のすっきりとした味わいとの相性が良く、お酒も食事もすすみました。元々「北の錦」をお店で出すことが多いという「隠口」のお店の方々。お酒の味とお店とをお互いによく知っている上で叶った「北海道代表」コラボの屋台には、絶えず人が訪れていました。

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玉寿司・海老入りイタリアン春巻×悦凱陣(香川)

次にお邪魔したのは、香川県丸尾本店の「悦凱陣」と、東京都新宿区中落合の「玉寿司」とのコラボ屋台です。いただいたお酒は「悦凱陣 純米無ろ過生 神力」(500円)。お燗もあります、と笑顔で応じていただき、あたたかいものを注いでくださいました。
炊き立てのお米のような香りがふわりと立ち、口に運ぶと、しっかりしたボディが感じられる一方で、優しい甘さが広がります。「悦凱陣」の中でも、熊本産の酒米「神力」を使って造られているというこの純米酒。普段はお寿司と日本酒とをお店で出されていらっしゃる「玉寿司」さんは今回、イタリア風にアレンジされた「イタリアン海老春巻き」(400円)を酒肴として一緒に提供していました。
パリッ、と音を立てて春巻きを頬張ると、バジルのいい香りが広がります。プリプリの海老にトマトとチーズとが合わさって、まさに、イタリアンと中華のいいとこどりな味わいでした。また、この味わいに負けない「悦凱陣」のしっかりしたボディが合わさり、料理とお酒とが、互いに美味しさをより強く引き出していました。

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「玉寿司」店主の松澤伸一さんは、今回のコラボとお料理について、こう話してくださいました。
「普段はお寿司を扱っていますが、『悦凱陣』さんとコラボをするなら、このお酒に合うものが作りたい、と考えて今回『イタリアン海老春巻き』を出しました。また、屋台の並ぶお祭りの中で、お客様が少しでも食べやすいようにしたいと考えた時、片手で持つことのできるフードメニューという点で、こういった料理提供の形になりました
コラボをするお酒のこと、会場に来るお客さんのこと、一つひとつを思って作られたこの屋台は、訪れるとこちらの心まで温かくなる、優しい気遣いと美味しさとが溢れていました。

神田新八・軍鶏出汁の酒かすいとん×神亀(埼玉)

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最後にご紹介するのは、埼玉県蓮田市神亀酒造「神亀 小鳥のさえずり」と、東京都千代田区の「神田新八」がコラボした屋台です。神亀酒造の中で、今回いただいた「神亀 小鳥のさえずり」(500円)は、鳥取県八頭町の田中牧場の山田錦を100%使用したという贅沢な一杯。お燗でいただきました。

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人肌燗ほどに温まった一杯は、淡い琥珀色をしており、甘くてふくよかな香りがします。口に運ぶと、柔らかな酸味とやや長めの余韻が印象的でした。
一緒にいただくのは、「軍鶏出汁の酒かすいとん」(500円)。神亀吟醸粕を練り込んだ団子がたっぷりと入っています。人参、大根、椎茸、蒟蒻と具だくさんなすいとんに、すだちを絞って入れてからいただきます。

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酒粕の入った団子は、口に入れるとモチモチとした食感がとても美味しく、食べごたえがあります。たっぷり量がありながら、すだちの酸味ですっきりといただけて、しっかりとした味わいの「神亀 小鳥のさえずり」との相性もバツグンでした。何より、11月上旬の肌寒くなり始めた時期に、スープまでしっかり美味しくて温まることのできるすいとんは、人気を博していました。

作り手の声―大江戸日本酒まつり実行委員会の方にインタビュー

今回の「大江戸日本酒まつり」は、実に多くの蔵元さん・多くの飲食店の方によって織りなされていました。開催までの思いを、運営者である高谷謙一さんにうかがいました。
「現在たくさんある日本酒のイベントの中でも、食べて飲むだけではなく、生産者の方にスポットが当たるようなイベントにしていきたいという思いがあります。春ごろからお店と蔵元さんとのコラボを決め始め、夏にはメニューの決定がなされていました。」
飲食店のメニューとお酒との相性がどの屋台も抜群だったことについて、高谷さんは
「飲食店の方に、実際にお店でよく使われている酒蔵さんを選んでいただき、コラボを決めていく形をとっていたからだと思います。イベントの時に限らず、日ごろからずっと一緒にやっている人たちと作る屋台にすることで、お酒と料理との相性がいいものが生まれる事を、運営側も大事に思っています。」
と、笑顔で話してくださいました。来年の開催については、
「今年は特に物販ブースを充実させて、『文化的な側面を伝える』という意図を反映しており、今後もこの意志は継ぎたいと考えています。その上で、若い人々に日本酒と美味しいものとを紹介していければいいなと思っています。」
と展望を話してくださいました。
「何よりも、天候はじめ様々なリスクのある屋外のイベントに、これだけたくさんの飲食店のみなさん、酒蔵さんが集まってくださり、スタッフ・裏方あわせて本当に大勢の人々の思いで成り立っている今回のイベントを、お客さんに少しでも感じて帰っていただけたら嬉しいです。」
こう笑顔で語る高谷さん自身も、普段は「にほん酒や」というお店を営んでいらっしゃることから、「大江戸日本酒まつり」が作られる飲食店さん、蔵元さんと一体になった強い思いを感じ取ることができました。

また、先のインタビューであったとおり、物販やトークショーなどのイベントが、他の日本酒イベントと比べてもとても充実していました。
公式ガイドブックを手掛けられた漫画家・尾瀬あきら先生とグラフィックデザイナー・太田和彦先生のお二人の著作販売・サイン会をはじめ、吉祥寺の雑貨店mist∞による酒器の販売、「醗酵リンク」主催・藤田千恵子先生による調味料の販売、農業・園芸・食の出版社「農文協」の季刊誌「うかたま」から、編集部おすすめ食材の紹介と販売、「シェフたちとニッポンを食で元気に!」というプロジェクト集団・Cu-Calから、おでんの販売など、物販ブースが充実している様子が見受けられました。

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同時に、映画「一献の系譜」の石井かほり監督を司会に「日本酒トークショー」として、漫画家・尾瀬あきら先生、グラフィックデザイナー・太田和彦先生、大江戸日本酒まつり実行委員会の佐久間丈陽さん、佐久間大裕さん(神田新八)、高谷謙一さん(にほん酒や)とで現在の日本酒業界についての思いをステージで聴ける機会もあり、先のインタビューの通り、日本酒を文化的な側面から考える企画が動いていました

合わせる料理によって、日本酒が表情を変える。まさに日本酒と料理のマリアージュを楽しむことができるイベントでした。 今回ご紹介した以外にもお料理・お酒といただいた中で、好きな銘柄の、新しい一面を見つけられたり、今まで飲んだことのない銘柄に合わせる料理の基準ができたりという発見が多かったのも、一人の来場者としては嬉しい点だと思います。次回の開催もとても楽しみです!

 

大江戸日本酒まつり実行委員会FACEBOOkページ
https://www.facebook.com/大江戸日本酒まつり実行委員会-498278230317565/

公式ブログ
http://ameblo.jp/ooedonihonsyu/

 

<紹介店舗一覧>

和食屋 隠口
北海道札幌市中央区南3条西3丁目中屋ビル3階
http://www.komoriku.jp/
Tel:011-242-3402

玉寿司
東京都新宿区中落合1-21-3
http://tabelog.com/tokyo/A1321/A132104/13095910/
Tel:03-3362-6880

神田新八
本店:〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町2-9-17
Tel:03-3254-9729
新丸ビル店:〒100-0065 東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング5F
Tel:03-3287-3688
別亭:〒104-0031 東京都中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデンB1
Tel:03-5542-1848
http://www.kanda-shinpachi.com/

にほん酒や
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-7-13 レディーバードビル101
Tel:0422-20-1722
http://web-farmer.jp/

(文/鈴木紗雪)

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鈴木紗雪

大学で日本文学を専攻。「お酒が飲みたくなる3冊」という日本酒と文学作品を絡めた記事をはじめ、映画、落語、音楽などの文化的な要素と日本酒とを扱った記事をご紹介しています。お菓子づくりも好きで、日本酒や酒粕を使ったスイーツのレシピも公開しています。