酒好きにとって「麺類」といえば、飲んだ後の"締め"の一品を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし麺類は、酒を引き立てる佳肴(かこう)としても優秀。酒に合うと同時にお腹も満たしてくれる、満足度が高いメニューです。
今回は、調味料にも日本酒を使った「あさりのスパゲッティ」で、滋味深い晩酌を楽しみます。
滋味あふれるパスタ料理
【材料】1人分
- あさり:200g(砂抜きする)
- パスタ:スパゲッティ(1.6ミリ)を80g
- にんにく:小1片(みじん切り)
- 生姜:小1片(みじん切り)
- 塩:適量
- サラダ油:大さじ1.5
- 日本酒:100cc
- 三つ葉:大さじ1(刻んでおく)
※ 飾り用に葉を数枚残しておく。
【作り方】
1.パスタを茹でるためのお湯を沸かします。
2.フライパンにサラダ油とにんにく、生姜を入れて中火で炒めます。ふつふつし始めて、香りが立ってきたらパスタを茹で始めるタイミングです。
3.お湯に対して1%程度の塩を加えてパスタを茹でます。
4.パスタを茹でている間に、2のフライパンにあさりと酒を入れ、蓋をして中火で蒸します。
5.あさりの口が開き始めたら、いったん取り出します(煮汁は残しておく)。
6.パスタは所定の茹で時間より1分早めに引き上げ、お湯を切ります。そのあと、5のフライパンに入れ、煮汁を絡めます。
7.6のパスタに塩を少々加えて味を調え、刻んだ三つ葉を混ぜ合わせます。
8.あさりを7のフライパンに戻して、軽く温めたら完成です。器に盛り付け、三つ葉を飾りましょう。
あさりの香味に「南」の旨味が映える
さて、できあがったパスタでお酒を楽しみます。
あさりの奥深い滋味を引き立てるなら、しっかりとした旨味はもちろん、雑味のないキリッとした一本を合わせたいところ。そこで、今回は高知県の「南」を選びました。
香りはおだやかで、瑞々しくきれいな口当たり。すっきりとした酸味を感じた直後、旨味とともに伝わる素材味は実に端正。この味わいに当てはまる表現は「濃い」や「強い」ではなく、強いて言えば「冴えている」。そんな印象です。
また、旨みに酸味や甘味が控えめに続くバランスが絶妙。このおかげで、あさりの滋味とは期待通りの良縁ぶり。煮汁のしみたパスタにも、酒がふわりと溶け合います。キリッとした後味もあり、食欲は増す一方です。
料理を引き立てる、この酒の仕事ぶりには申し分ありません。さらに、ふと気づくと、酒の香味がより冴えている。
なるほど、佳肴を得て自らもどんどん美味しくなる。そんなしたたかな性格も実に面白く、とても気に入りました。
(文:KOTA/編集:SAKETIMES)