秋から初冬にかけ故郷の川を目指し遡上する秋鮭。獲れたての秋鮭の新鮮な卵で作ったイクラは、旬の美味として多くの食通を唸らせます。どんな酒とも良い相性を発揮し、日本酒愛好者の心をつかんで離しません。

そんなイクラで晩酌。今回はイクラさえあれば簡単に作れる料理の提案です。酒肴はもちろん、お正月料理にも重宝します。

イクラの醤油漬けをつくる

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料理に使うイクラは主に醤油漬けや塩漬けが多いです。魚屋で購入するのが手っ取り早いですが、機会があればぜひ自分で!ということで、手法はさまざまですがその一例として筆者の作り方を紹介します。

◎イクラの醤油漬け
<材料>

  • 生筋子 ひと腹(今回は約300g)

<作り方>

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イ. 鮭の生筋子を40℃のぬるま湯にさっとくぐらせます。卵を包む膜がうっすらと白くなり、固くなることで卵がほぐれやすくなります。この程度の温度では卵は煮えたりしないので心配はご無用。
ロ. 卵をばらばらにほぐします。焼肉用の金網でこそぎ落とすと簡単です。卵は意外に丈夫なので力を入れ過ぎなければつぶれません。
ハ. さっと水で洗うと出てくる皮のカスなどを取り除きます。ここまでは卵の表面にツヤはありませんが、これに塩を小さじ1加えて、さっと水ですすぎ洗いするとピカピカになります。
二. 何度か水で洗い、ザルで水気を切ります。

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ホ. 漬け汁の量は卵の重さの2割弱が目安。計測するとほぐした卵の重さは約300gあったので、漬け汁は60cc弱になります。
ヘ. 漬け汁は醤油と冷ました煮切り酒を8:2で。濃い味が好きなら酒の割合を減らせばよいでしょう。一晩漬けて、翌日に味わうイクラの新鮮な味は格別です。

時鮭刺身の塩麹漬け イクラ和え

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思わず酒が進みそうな一品です。

<材料>

  • 時鮭の刺身 50 ~ 60グラム(細切り)
  • 塩麹 小さじ2
  • イクラ醤油漬け(または塩漬け) 適量

<作り方>
イ. 刺身と塩麹を混ぜ合わせ1時間ほど漬ける。
ロ. イクラを和える。

クリームチーズ イクラのせ

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オードブルにもぴったり。クラッカーに載せて食べるのが一般的ですが、他にも料理を食べる時は、このスタイルがちょうど良いです。大葉ごとパクっとひと口で。

はらこ飯

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我が家ではこれを「鮭の親子炊き込み」などと呼んでいましたが、イクラを使った宮城の名物「はらこ(イクラ)飯」を知ってから、それにあやかるようになりました。鮭の身をあしらったイクラ丼のようですが、白いご飯や酢飯を使ったイクラ丼との決定的な違いは、鮭の煮汁で炊き込んだご飯を使う点にあります。

<材料>
(下準備)

  • 生鮭切り身 2切れ150 ~ 2グラム
  • 生姜 1かけ(みじん切り)
  • 鮭の煮汁 醤油大さじ1・みりん大さじ1・水 大さじ3

(炊き込みご飯)

  • 米 2合(洗ってから水に浸漬1時間)
  • 醤油 大さじ1
  • みりん 大さじ1
  • 鮭の煮汁 大さじ1
  • イクラ醤油漬け 適量
  • 好みで刻み海苔

<作り方>

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(下準備)
イ. 生鮭を食べやすい大きさにぶつ切りにする。
ロ. 生鮭を生姜とともに煮る。
※煮汁は捨てずに、一旦冷まし味をなじませる

(炊き込みご飯)
ハ. 煮た鮭を米に載せ、醤油・みりん・煮汁を各大さじ1加えて、通常の水量で炊く。
二. 炊き上がったらさくりと鮭・ご飯をほぐし10分蒸らす。
ホ. 器に鮭とともにご飯・イクラを盛り付け、好みで海苔を飾る。

新鮮なイクラには旨みの確かな「東鶴 特別純米 ひやおろし」を

イクラには魚卵ならではのまったりとした味というイメージがあるので、濃醇な旨口、かつキレのある純米であればおおむね良い相性を演出すると思います。しかし今回に限っては、イクラの醤油漬けは出来立ての一夜漬けで、意外にさらりとしたフレッシュな香味と舌触りが特徴。もちろん、濃醇旨口でも良いのですが、より縁を感じられる酒でイクラのおいしさを楽しみたいもの。

ここはひとつ、ひやおろしの出番でしょうか。

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まず冷たい温度で味わってみます。控えめながらさわやかな柑橘香に誘われて、ひと口。柔らかな口当たりから旨みがスッと伝わります。期待通り、旨みがどっしりなタイプよりは軽快な方がイクラの新鮮な風味と良縁。時鮭の刺身やはらこ飯ともよく合います。秋の味覚には「ひやおろし」が合うという定説は本当のようですね。酒の温度が常温に近づくにつれて、その性格は強くなりました。

オードブルの大葉の香りとはほんのちょっと反発しますが、チーズとも良縁です。旨みだけでなく酸味も効いたバランスの良さが食中酒として及第点。食欲がいっそう増していくのでした。

(文/KOTA)

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