富山の冬を愉しく彩る、ガラスと新酒のコラボレーションフェア「富山のガラスと新酒フェア」が、10回目の開催を迎えました。このイベントは、地元企業と「富山の地酒ファン倶楽部」の共同主催で、さらに「地酒で乾杯富山推進会議」後援の、まさに富山のお酒を愛する人々のためのお祭りといえます。

開催期間中の1月から3月は、富山県内各地でイベントが開かれました。今回は、その中のひとつ、3月24日(金)にANAクラウンプラザホテル富山で開催された「春の宵-新酒を楽しむ会」の様子をお届けします。

造り手の話を肴にお酒をいただく幸せ

「春の宵-新酒を楽しむ会」は、富山県内の酒蔵各社をはじめ、富山ガラス工房で活躍されているガラス作家も勢ぞろいするプレミアムパーティー。参加できるのは「富山の地酒ファン倶楽部」の会員および同伴者、「吹きガラス体験 Myぐいのみをつくろう!」の体験者だけです。

当日限定の特別なお酒が振る舞われたり、ガラス作家が作った酒器の展示や抽選会もあったりと、企画盛りだくさんの2時間でした。

このイベントは、酒蔵関係者やガラス作家と同じテーブルに座り交流を図れるのも特徴です。どのテーブルにどの造り手が着席されるかは、パーティが始まるまで非公開。お気に入りの蔵元と隣り合う可能性を想像したりして、ちょっとしたドキドキも楽しめます。

私のテーブルは若手ガラス作家の市川知也氏と、世界遺産・五箇山にある三笑楽酒造株式会社の山崎杜氏でした。この日は、今年の仕込み量が1升瓶で60本だけという「三笑楽 大吟醸 しずく酒」を振る舞っていただきました。

「今年は金沢酵母と熊本酵母を使って、2つの大吟醸を造りました。今日は出来のよかった金沢酵母仕込みのほうを用意しました。今年のしずくは口当たりがなめらかで、旨味もよくのっていますよ」とおっしゃる通り、熟した果実感が瑞々しく、かつ濃醇な味わいでした。

地酒と料理で富山づくしのディナー

テーブルに用意されたお酒以外にも、会場内のいたるところにセッティングされた新酒コーナーから、気になるお酒を自由に飲むことができました。

料理は、富山県産の食材がふんだんに使われた、炭水化物のないコース仕立て。吉乃友酒造有限会社の限定酒「吉乃友 富の香 純米吟醸生原酒」の心地よい酸味と、「県産実山椒を効かせた若鶏もも肉ローストの照り焼きソース」が絶妙なコンビネーションで印象に残りました。

この日は総勢335名の集客で、会場はいわずもがなの大にぎわいでした。来年はマイグラスを作って参加したいなぁと思いながら、肌寒い北陸の春の宵に、大満足の千鳥足で帰路につきました。

(文/沼田まどか)

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