こんにちは、SAKETIMES編集部、最年少酒匠の山口奈緒子です。

さまざまな日本神話がありますが、その中でも一番最初に「お酒」のことが書かれている日本神話をご存知ですか?
今日はお酒のことが書かれた最初の神話である「ヤマタノオロチ退治」のお話をご紹介しようと思います。

ぜひご覧になってください!

 

1. 日本神話「ヤマタノオロチ退治」

スサノオノミコトは大変力の強い神様だったのですが、色々と乱暴したために、神様の国タカマガハラを追放されてしまいました。そしてスサノオノミコトは出雲の鳥髪(現・奥出雲町鳥上)という場所に降り立ちます。そこには肥河という川が流れていました。

あてもなく、途方に暮れていたスサノオノミコトでしたが、肥河の上流からお箸が流れきました。
このお箸を見たスサノオノミコトは「村があるに違いない」と思い、上流に向かいました。

上流には村があったのですが、この村で老夫婦アシナヅチとその妻のテナヅチが、娘のクシナダヒメを間にして泣いていました。

スサノオノミコトがどうしたのかと聞いたところ「夫婦には娘が8人いたが、そのうちの7人は年に1度ヤマタノオロチという怪物が降りてきて食べてしまった。今年もヤマタノオロチが来る時期が近い、最後に残されたクシナダヒメも食べられてしまう、、、。」というのです。

それを聞いたスサノオノミコトはクシナダヒメとの結婚を条件にヤマタノオロチ退治を請け負いました。

スサノオノミコトはまず、クシナダヒメの身の安全を確保するために櫛(くし)へと姿を変えて、自分の髪に挿しました。そして、8つの酒樽を用意し、ヤマタノオロチを待ちます。

しばらくすると、ヤマタノオロチがその恐ろしい姿をあらわしました。なんと頭・尾がそれぞれ8つずつありその大きさたるや8つの峰、8つの谷を這いわたるほどなのです。
ヤマタノオロチは酒樽を見つけ、大喜びで8つの頭をバシャーンと酒につけ、お酒を飲みだしました。ヤマタノオロチはすっかり酔って寝てしまいました。

そこにスサノオノミコトが近づき、ヤマタノオロチを切り裂くのですが、8つの頭・8つの尾のうち1つの尾だけが斬れないのです。

その尾を丁寧に削り落としてみると、中には見事な剣がありました。あまりにも立派なので、もったいないということでアマテラスオオミカミに献上するのですが、これが後に三種の神器の1つである「草薙の剣」と呼ばれることになった霊剣です。

ヤマタノオロチ退治の後、クシナダヒメをもとの姿に戻し、スサノオノミコトとクシナダヒメは結婚しました。2人で暮らす場所を求めて、出雲国根之堅洲国(現・島根県安来市)へ行って、暮らしたそうです。

 

2. まとめ

この神話の中でヤマタノオロチが飲んだお酒について古事記には「八塩折の酒(やしおりのさけ)」と書いてありまして、これは「何度も繰り返し醸造した濃いお酒」(※諸説あり)と解釈されるそうです。

この八塩折の酒にちなんで造られた、國暉酒造の「八塩折(やしおり)之仕込」というお酒が島根にあります。
八塩折の酒を再現して造られた特別なお酒だそうです。

ヤマタノオロチ退治の神話についてあれやこれやと考えながら、この日本酒で一献というのもなかなか乙ですね。

 

以上です!
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