人気の佐賀清酒を引っ張る存在

sake_azumaiti1 (1)

焼酎のイメージが強い九州ですが、九州北部、特に佐賀県は日本酒どころと言っていいでしょう。現在、佐賀県の各蔵が醸すお酒は、全国的な人気を博しています。現在の「佐賀の酒はうまい」というイメージを形成し、引っ張ってきたのが、銘酒「東一」を醸す五町田酒造だと思います。大正11年(1922年)、初代蔵元の瀬頭平次が江戸時代から続く瀬頭酒造(東長)から分家して創業しました。

昭和年代から山田錦の自社栽に培挑戦

初期は日本で一番の酒を目指す意味で「日本一」という銘柄でしたが、日本を越え、アジア、東洋一を目指す意味で「東一」と名付けられました。

昭和63年(1988年)に「吟醸蔵」になることを掲げて、蔵元自ら米作りを開始し、酒造好適米「山田錦」の栽培に挑みました。同県は米どころとはいえ、台風の通り道で高温多湿である佐賀県は山田錦の栽培に適しているとは言えません。しかし、育苗法や肥料管理など工夫と試行錯誤を重ねて、安定的な収穫ができるまでになりました。その自社田栽培の山田錦で醸した大吟醸が平成2年(1990年)度の全国新酒鑑評会で金賞を受賞するまでになりました。

熱燗でもおいしいハイレベルな晩酌酒

sake_azumaiti2 (1)

この純米酒は酒蔵の代表酒とも言えるでしょう。自社栽培の山田錦を64%まで精米しています。純米酒らしいコクと山田錦の上品なふくらみが心地よいインパクトとなっています。米の旨みをダイレクトに感じられるタイプで余韻も長いですが、かといって重さは感じず非常に呑み易く、後味もスーと切れていきます。

冷やでもおいしいですが、お燗にすると一層の旨みが味わえるでしょう。熱燗にしても味が崩れない腰の強さがこのお酒にはあり、造りの良さが伝わってきます。酒肴も選ばないハイクオリティーな晩酌酒だと思います。

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES