名水百選の宮水での仕込み

神戸酒心館は、宝暦元年(1751年)創業で神戸は灘の御影郷で酒造りを続けている老舗蔵です。六甲山から流れる名水百選に選ばれた宮水を仕込み水に、すべて兵庫県産米を使用する「地産地消」をモットーに醸されています。平成26年酒造年度の全国新酒鑑評会では大吟醸酒が金賞を受賞しています。

阪神大震災から不屈の精神で復活

同蔵に関しては阪神大震災を抜きにして語れないでしょう。1995117日兵庫県南部を襲った巨大地震で灘地区の木造蔵はほとんどが倒壊する被害を受け、同蔵も建物が全壊する大ダメージを負いました。しかし、不屈の精神で蔵の再建を決意し、醸造蔵を中心にショップや飲食施設、ギャラリーやイベントホールを併設し、一般の方が訪れても楽しめる蔵として1997年に「神戸酒心館」が誕生しました。大地震を教訓に、日本初の免震蔵として生まれ変わりました。新しい蔵で酒造りを開始してから2年後に全国新酒鑑評会で金賞を受賞し、を成し遂げました。

10年前から欧米はじめ海外への輸出を始め、ノーベル賞授賞式の晩餐会で使用されるなど、好評を博しています。

箱麹法で手造りを貫く

創業から260年以上かたくなに守られているのは「箱麹法」です。麹造りは「一麹、二酛、三造りと言われるほど清酒造りの生命線です。箱麹法とは種麹された蒸米を箱状の容器に入れて積み重ねていきます。どの箱にも等分の温度管理を必要とするため、数時間ごとに積み替えたり、かきまぜたりする作業が12続きます。昼夜を問わない過酷な労働となりますが、人間の経験や五感に頼る作業でもあるため、手造りにこだわるのです。

福寿大吟醸は兵庫県産山田錦を精米歩合50まで磨いて醸されます。「白桃や梨をおもわせるみずみずしい香り。上品でスムースな口当たりで香りの持続性が高い」(神戸酒心館HP引用)とのこと。軽やかで心地よい吟醸香と綺麗な味わいにうならされます。冷やして味わって欲しい美酒です。

 

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