SAKETIMES編集部が、いま気になるお酒をテイスティングする連載企画「SAKETIMES編集部 注目の一本」。
今回は、岩手県・赤武酒造が醸す「AKABU 純米吟醸」をご紹介します。
若者に選ばれるお酒を目指す「AKABU」
酒蔵の名前を冠する銘柄「AKABU」が誕生したのは2014年。もともと、赤武酒造では「浜娘(はまむすめ)」という地元中心の銘柄を造っていました。6代目・古舘龍之介さんが蔵に戻ってきたことをきっかけに、新しい美味しさを目指してリリースされたのが「AKABU」です。
コンセプトは「若者が手にとってくれるお酒」。どのラインナップも共通してフレッシュで、華やかで上品な香りとバランスに優れた甘味のある味わいは、日本酒を飲み慣れていない人からも評判です。
今年で10年目を迎えた「AKABU」は、首都圏を中心に、全国で取り扱われる銘柄となりました。日本酒にこだわる居酒屋や酒販店で、よく見かける日本酒のひとつです。
そんな「AKABU」シリーズの中でも、"定番"と言える一本が「AKABU 純米吟醸」です。
原料米には、地元・岩手県の酒米「吟ぎんが」を使用。「AKABU」シリーズの中では、スタンダードな定番酒として「純米吟醸」を名乗っていますが、精米歩合は50%と、規格としては純米大吟醸クラスのお酒です。
それでは、実際に味わってみましょう。
純米吟醸酒のお手本のような果実感!
グラスに注ぐと、はじめに感じるのは、爽やかで清涼感のある青リンゴのような甘い香り。華やかな印象ですが、主張は穏やかで、心地よい絶妙なバランスです。嫌なアルコール感はありません。
飲んでみると、最初の驚きは飲み口の透明感。線が細くきれいな印象で、なめらかな口当たりです。
そのあとには、爽やかでジューシーな甘味が続きます。すいすいと飲めてしまう透明感がありながらも、適度な旨味や酸味も感じられ、飲みごたえはしっかりとしています。
全体的に、瑞々しくフレッシュな仕上がりとなっているのは、一般的な日本酒は加熱処理(火入れ)を2回行いますが、「AKABU 純米吟醸」は1回としているから。清涼感のある香りや、爽やかな甘味も相まって、ラムネのような印象もありました。
華やかでフルーティーな香りとジューシーな甘味。それをほどよい旨味や酸味が下支えしている、バランスの良い一本だと感じました。
合わせる料理としては、全体的な透明感とほどよい酸味を活かして、カルパッチョなどの前菜や、白身魚の刺身、野菜のマリネなど、あっさりとしたものがおすすめです。
コンセプト通り、若者に飲んでほしい一本
「AKABU」のラインナップの中では、スタンダードな商品である「AKABU 純米吟醸」。爽やかでジューシーな甘味と透明感が特徴の一本でした。
その洗練された味わいは、日本酒を飲み慣れていない若い世代にも自信を持っておすすめできると思いました。まさに「若者が手にとってくれるお酒」というコンセプトが体現されています。
日本酒にこだわる居酒屋や酒販店で見かける機会の多い「AKABU」シリーズ。日本酒の美味しさを知るきっかけとして、ぜひ「AKABU 純米吟醸」を飲んでみてください。
◎商品概要
- 商品名:AKABU 純米吟醸
- 原材料:米(国産)、米麹(国産米)
- 原料米:吟ぎんが(岩手県産)
- アルコール度数:15%
- 精米歩合:50%
- 価格:【720mL】1,980円(税込)【1,800mL】3,960円
- 醸造元:赤武酒造株式会社(岩手県盛岡市北飯岡1-8-60)
(執筆・編集:SAKETIMES編集部)