SAKETIMES編集部が、いま気になるお酒をテイスティングする新企画「SAKETIMES編集部 注目の一本」。
今月は、栃木県・せんきんが造る「仙禽 雪だるま しぼりたて活性にごり酒」をご紹介します。
「冬の風物詩」として人気のにごり酒
「仙禽 雪だるま しぼりたて活性にごり酒」は、毎年、冬の季節に発売される新酒のにごり酒です。せんきんでは、春には「さくら」、夏には「かぶとむし」、秋には「赤とんぼ」と季節に合わせた個性的なお酒を限定シリーズとして発売していて、その冬バージョンが「雪だるま」というわけです。
ボトルに描かれたかわいらしい雪だるまのイラストと相まって、日本酒ファンの間では"冬の風物詩"とも言われるほどの人気ぶり。すぐに完売となってしまうことも珍しくありません。
大きな特徴は、にごり酒でありながらも、きめ細やかさを感じるシルキーな飲み口。米の粒感を残したにごり酒とは異なり、何度もあらごしを繰り返すことで、透明感のある滑らかなテクスチャーを実現させています。
心地よさすら感じる、シルキーな口あたり
それでは、実際にテイスティングをしてみましょう。
色調
吹きこぼれに注意しながら開栓し、澱を混ぜてからグラスに注いでみると、雪景色のような白色が目を引きます。見た目からもきめ細やかさが感じられ、冬のイメージにぴったりな一本です。
香り
全体的に香りは穏やかですが、最初に感じるのは、みずみずしい洋梨を思わせるさわやかな香り。そのあとに、乳酸菌飲料のような、酸味を含んだ穏やかな甘みのニュアンスが続きます。また、にごり酒らしい、米の旨味を感じさせるふくよかな印象もあります。
味わい
ひと口飲むと、シュワシュワとした強めのガス感が印象的です。はじめは、透明感のあるやわらかい甘みが広がりますが、中盤からはさわやかな苦味が加わってくることで、ドライな後味にまとめあげてくれています。
そして、やはり驚くのはその口あたり。醪を何度もあらごししているからこそ実現できた滑らかな質感で、喉の奥をするすると流れていきます。米の粒感が残っているにごり酒が苦手という方にも、間違いなくおすすめできる一本です。
せんきんが造る日本酒といえば、気品のあるきれいな酸味が特徴的ですが、「仙禽 雪だるま しぼりたて活性にごり酒」では、決して酸味が強調されているわけではありません。ほかの味わいの要素と絶妙なバランスを保っていて、その造りの上手さをあらためて実感します。
合わせる料理としては、肉料理や揚げ物などがおすすめ。ライトな酒質でありながらも、上品なコクも兼ね備えているため、味付けの濃い料理とは相性が良さそうです。また、爽快感のある味わいを活かして、食前酒として楽しむのもよいでしょう。
パーティーにもぴったりな一本!
「仙禽 雪だるま しぼりたて活性にごり酒」は、"冬の風物詩"として愛されているのも納得の、とても完成度の高い一本でした。クリスマスや年末年始の集まりに持っていくと、濃い味付けが多いパーティー料理との相性がいいのはもちろんのこと、かわいいボトルデザインで場を彩ってくれそうです。
人気商品ではありますが、複数回にわたって入荷する酒販店もあるとのこと。店頭で見かけた際には、ぜひ手にとってみてください。
◎商品概要
- 商品名:「仙禽 雪だるま しぼりたて活性にごり酒」
- 使用米:山田錦(栃木県さくら市ドメーヌさくら産)
- 精米歩合:麹米50%、掛米60%
- アルコール分:13%
- 内容量:720mL/1.8L
- 価格(税込):1,800円(720mL)/3,600円(1.8L)
- 購入:「仙禽」特約店
(執筆・編集:SAKETIMES編集部)