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高速バスで行く!春の淡路島「都美人酒造」の蔵開きに行ってきました

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2016年3月19日、春の淡路島で行われた「都美人酒造」の蔵開きをレポートします。

菜の花咲く淡路島へ新酒の香りに誘われて

淡路島は国生み伝説で有名な神話の島。古くから朝廷に作物を献上してきた豊かな土地で多くの酒蔵があったそうですが、現在では3つの酒蔵が酒造りを行っています。

その中でも「都美人酒造」は淡路島の中央に位置し、近年若い杜氏の活躍で注目されています酒蔵です。

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JR舞子駅から徒歩5分のところにある高速舞子バスのりばから高速バスに乗って、淡路島へ向かいます、運賃は1,700円。蔵開き目当ての乗客が多いかと思いきや、私ひとりでした。

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神戸淡路鳴門自動車道の榎列(えなみ)バス停で下車して、川沿いを30分ほどのんびりと歩きながら酒蔵を目指します。昨日までの雨が嘘のように日が差してきました。

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新酒の香りに誘われて、地元の方が集まってきます。蔵開きは2時間制。入場料100円で自慢のお酒を浴びるほど楽しめます。

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今回の蔵開きは「若宮の雫 純米吟醸 生原酒」ができあがる時期にあわせて開催されました。

この地域の酒米「兵庫夢錦(ひょうごゆめにしき)」を合鴨農法で育てて醸す、まさに地産地消を体現したようなお酒。飲むのが楽しみになってきました!

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この蔵の酒造りをすべて任されているのは現在38歳の山内杜氏。

現代の名工といわれる農口尚彦杜氏の下で麹造りを任されていたという、今注目の若手杜氏です。山内杜氏の下で働きたいと、全国から若い蔵人が集まっているのだとか。

「悲しいほど」手間がかかる天秤搾りを選ぶ理由

この蔵の特徴がもうひとつ。長さ8メートルの樫の木の天秤に1トンの石をくくり付け、テコの原理で搾る「天秤搾り」による酒造りです。
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はねぎしぼり」とも呼ばれるこの搾りができる蔵は、日本に数軒と言われています。都美人酒造では平成13年に、100年ぶりに「天秤搾り」を復活させました。

槽の容量が300キロなので一度に出来上がる量は少ないですが、お酒の味わいに妥協しないためにあえてこの技法を取り入れているのだそうです。最大1400リットルをじっくりじっくり二日間かけて搾るという、気の遠くなる作業ですが、じっくりと加圧しながらやさしく搾るので、雑味のない味わいと芳醇な香気を得ることができます。

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この天秤搾りでつくった「都美人 純米大吟醸 無限大」を試飲会場でいただきました。

「純粋な」と表現したくなるような味わい。これが通常の倍の時間をかけて生み出されたものなのでしょう。気高い香気に包まれたあとに、すっと広がる米の旨味は試飲会場につめかけた日本酒好きたちを正気に戻すほど鮮やか。格別という言葉が似合うお酒でした。

この会場では、先ほどの「若宮の雫 純米吟醸 生原酒」、代表銘柄の「都美人」、春らしさ溢れる「さくら吟醸」といったお酒も楽しめました。

一年間一緒に頑張った合鴨とともにいただく

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おつまみに大人気なのが合鴨のお肉を使った、鴨汁と焼き鳥。

酒米を栽培するときに活躍した合鴨たちをいただきました。ちょっとかわいそうな気もしますが、大きく育った二年目の合鴨は合鴨農法には使えないのです。お酒がすすむうちに、おいしく食べることも供養なのだと自然と思えるから不思議です。子供たちにも大人気でした。

地元の人に愛される地域のための蔵開き

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酒粕の詰め放題は地元の奥様に大人気! 粘土のように固めて高く積み上げる人が続出していました。袋からはみ出しても一袋500円でとってもお得です。

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今回、東京から参加したのは私ひとりでした。会場でお話していても、地元の淡路島の方がとても多かったのが印象的です。

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地元の名産を教えてもらいながら見知らぬ人とお酒を酌み交わします。仲良くなったお母さんに「今度は友達とおいで!」といわれて胸が熱くなりました。蔵のお酒だけでなく、淡路島という島が大好きになる楽しい蔵開きです。

大阪から3時間。あなたも高速バスに揺られて、あたたかい淡路島の蔵に遊びに行ってみませんか?

(文/菊森久美)

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菊森 久美

利き酒師。広告会社の代表兼ライター。1977年。兵庫県東灘区生まれ。出張先で出会った日本酒やお店など、気になった情報を記事にしていきます。